ビデオストリーミングサイトHuluが今日(米国時間2/27)、その日本法人の営業を停止し日本テレビに売ると発表した。これでHuluは国際展開を諦め、合衆国市場での巻き返しに注力することになる。
Huluが日本に進出したのは2011年で、同社の会費制のストリーミングサービスをそこでも立ち上げた。同社が今蓄積しているコンテンツライブラリは、50社のパートナーからの13000本あまりのビデオから成る。
Huluが日本進出の意図を明かにしたときは、多くの国際市場の中で同社の初めての海外進出国と見なされた。
同じころ、Netflixも国際展開を開始した。そしてコンテンツのオーナーたちは、新たな売上増の機会として両社の動きを歓迎した。
しかし、初の海外進出はHuluに新たな成長をもたらさなかった。
やがてHuluは、日本は合衆国のコンテンツパートナーの広告入りストリーミングビデオの売上を伸ばす長期的な重要市場になりえない、と悟ったようだ。しかしその日本法人に、価値を見出す企業はあるかもしれない。それが、日本テレビだった。
Huluの新CEO Mike Hopkinsはブログにこう書いている:
“弊社は、日本でのビジネスの成長過程における、重要な転換点に到達した。今後のための最良の方針は、会社を戦略的バイヤーに売ることである、とわれわれは感じている。そこで本日私はここに、Huluの日本法人がNippon Television Network Corporation(Nippon TV)に買収されることを発表する。契約を完了次第同社が、日本法人の操業と経営を引き継ぐことになる。”
このブログ記事によると、Huluというブランドはそのまま残り、そのブランドとコンテンツがNippon TVにライセンスされる。インフラサービスの一部も、新しいオーナーに提供されるらしい。ただしコンテンツとして日テレの番組が加わるわけだから、日本人ユーザがアクセスできるコンテンツは増える。
“日本法人の日々の経営を引き受けることに加えてNippon TVは、同社のタイトルをサービスに加えるだろう”、とHopkinsは書いている。
Huluにとってこの決定は、テレビ番組主体で合衆国市場に力を入れていく、という新方針の一環だろう。7ドル99セントのHulu Plusは合衆国で500万の会員を抱えているから、今後も継続されるが、今後はテレビ放送の全国ネットワークなどとの契約に力を入れて、放送コンテンツを増やしていくつもりだ。
Huluのオーナーである21st Century FoxとNBCUniversalとThe Walt Disney Companyは最近、Huluに対し7億5000万ドルの増資を行ったばかりだ。しかも新CEOのMike Hopkinsは、そのFoxの出身である。
Huluの売上は2013年で10億ドル、減少の気配はない。Huluは合衆国では、逃げも隠れもしない存在だ。しかし国際市場では、行き場がなかったのである。
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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))