自宅のリフォームを自分で行えば、業者に依頼するよりも費用対効果が高くなることがある。だが、何から始めればよいのかわからない人も多いだろう。DIY住宅リフォームのスタートアップとしてOutfit(アウトフィット)を創業したIan Janicki(イアン・ジャニッキ)CEOは、建築やデザインを人々がもっと気軽に楽しめるものにしたいと常に考えていた。
「器用な自分の知識を活用して、量産化することができると気づいたのです」と、同氏はTechCrunchに語った。
Outfitのプロセスを希望する人が最初にやることは、サイズや写真などリフォームを検討している空間に関する情報と、最大でいくら払えるかという予算を提出することだ。Outfitはその後、プロジェクトの予想コストや、プロジェクトを完成させるために必要な技術レベルなど、作業を完了するために必要となるすべての情報を提供する。
「私たちは透明性が高い情報を提供し、作業に必要な時間の総量を理解してもらうようにしています」と、ジャニッキ氏はいう。
顧客がプロジェクトを進めることを決定すると、Outfitは必要な道具や材料をすべて送り、アプリを通じてプロジェクトを完成させるためのガイドを順番に提供する。作業中に行きづまったら、ジャニッキ氏や同社のチームからチャットでサポートを受けることもできる。
Outfitはこれまで、少数の試験的な顧客を持ったが、そのうち何人かはプロジェクトを完了させ、何人かは現在も進行中だ。
「今、ミレニアル世代で住宅を購入する人が増えており、リモートワークと新型コロナウイルスの影響がその勢いを加速させています」と、ジャニッキ氏は言っている。「彼らはIKEA(イケア)に親しんでいる世代であり、本棚を組み立てることができ、デジタル体験に慣れています。そして今ではこのデジタルソリューションを求めています」。
これまでのところ、プロジェクトの費用は1000ドル(約10万6000円)から1万5000ドル(約160万円)だが、実際にはリフォームをどこまでやるか、どのくらいの広さかなどによって異なると、ジャニッキ氏はいう。下に掲載した写真の「After」まで仕上げるためには、おそらく9000ドル(約95万円)ほど費用がかかるだろう。Outfitは基本的に、材料や道具の実費(たとえばパワードリル、レンチ、キャビネット、タイルなど)を顧客に請求し、それから一定の割合を合計額に加算する。
将来的には工具をレンタルすることもOutfitは視野に入れているが、初期の段階ではすべてを簡略化したかったとジャニッキ氏は語った。
「リバースロジスティクスは複雑なので、現時点では我々は一歩ずつ進めようとしています」と、同氏はいう。
EanoやRennoなど、自宅リフォームのためのスタートアップはいくつかあるが、Outfitと直接競合する他社は聞いたことがないと、ジャニッキ氏はいう。彼はまた、必要なものをすべて自分で購入し、YouTube(ユーチューブ)の動画を見て完成させることが十分に可能な人もいることを認識しているという。その一方で、住宅所有者の中には、作業のために人を雇う余裕がある人もいる。しかし、Outfitはその中間に位置するとジャニッキ氏は考えている。彼はそれを「DIYプラス」と呼んでいる。
「器用であるということは、みんなに評価される稀有な特質です」と、ジャニッキ氏はいう。「もし、人々の器用さのレベルを上げることができたら、私は超ハッピーです。実際にそれを成し遂げることができたら誇らしく思います」。
Outfitは現在、全米で利用可能だ。現在まで、同社はY Combinator(Yコンビネーター)から支援を受けており、過去には、GitHub(ギットハブ)のNat Friedman(ナット・フリードマン)CEOや、B Capital Group(Bキャピタル・グループ)のCrissy Cost(クリッシー・コスタ)氏、Gumroad(ガムロード)のSahil Lavingia(サヒル・ラヴィングア)CEOなどの投資家から、約70万ドル(約7400万円)の資金を調達している。
カテゴリー:ネットサービス
タグ:Outfit、住宅、DIY、リフォーム
画像クレジット:Outfit
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(文:Megan Rose Dickey、翻訳:Hirokazu Kusakabe)