ルカシェンコ体制批判で逮捕されたPandaDoc社員をベラルーシのテック業界がビデオで支援

サンフランシスコ拠点のスタートアップPandaDoc(パンダドック)の社員4人が逮捕されたことを受け、ベラルーシのテック業界が同社とベラルーシの民主化運動をサポートしようと集結した。

テックコミュニティの代表らが録画した、拘留されている社員をサポートするビデオはソーシャルメディア上で広く視聴されている。

「我々の強みは連帯だ」とテックコミュニティの代表らはビデオで話している。ビデオは英語の字幕付きで、テック業界で働く人の嘆願も取り上げている。多くのワーカーが、国家による嫌がらせはベラルーシにおけるテック産業の崩壊につながりかねないと話す。

TechCrunchは9月11日、PandaDocのCEOであるMikita Mikado(ミキタ・ミカド)氏に話を聞いたが、社員がベラルーシ警察によって10年以下の懲役で告発されていることを明らかにした。同氏が言うには、ルカシェンコ体制に対する同氏の個人的な抗議運動へのリベンジとして、でっちあげの容疑での告発とのことだ。

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(翻訳:Mizoguchi

PandaDoc社員4名がベラルーシで逮捕、ルカシェンコ体制批判への報復か

米国時間9月5日、米国拠点のエンタープライズ向けソフトウェアスタートアップであるPandaDoc(パンダドック)の社員4名がベラルーシ警察に首都ミンスクで逮捕された。同社の創業者が26年君臨するAlexander Lukashenko(アレクサンドル・ルカシェンコ)大統領に対する抗議活動に参加したことに対する国家主導の報復と見られている。国際監視団はルカシェンコ氏が同国で最近行われた選挙を自らの有利になるよう不正操作し、野党党首のSviatlana Tsikhanouskaya(スベトラーナ・チハノフスカヤ)氏の当選を阻止したと見ている。

PandaDocは2013年にベルリンのTechCrunchミートアップでデビュー(未訳記事)した後、5110万ドルを調達し、現在サンフランシスコに本社をおいている。同社は声明を出し、米国時間9月5日にミンスク開発オフィスが警察および「資金情報機関」の強制捜査を受けたことを発表した。

PandaDocは新たなウェブサイト、SavePandaDocに声明文を掲載して本件の概要を説明し、社員は事務所外に出ることを禁じられ、弁護士との接見は許されず、管理職の一人は警察に連行されたと書いた。

創業者の一人で米国在住のMikita Midado(ミキタ・ミダド)氏も本件に関する個人声明を自身のInstagramとYouTubeで公開した。

逮捕されたPandaDoc社員4名は、会社の資金10万7000BYR(ベラルーシ・ルーブル、約435万円)を横領し、課税を逃れた罪で告発されている。社員らは2カ月間拘留されている。

しかしPandaDocは声明で「この告発はまったくのでっち上げであり、一切根拠がないことを宣言する。当社のあらゆる行動は法に則っており、そのことは国際的監査や調査によって繰り返し確認されている」と語った。

現在勾留されている人物と役職は以下のとおり。

  • Yulia Shardiko氏(ユリア・シャルディコ):会計責任者
  • Dmitry Rabtsevich氏(ドミトリー・ラブセビッチ):ディレクター
  • Victor Kuvshinov氏(ビクタークブシノフ):プロダクト・ディレクター
  • Vladislav Mikholap氏(ウラジスラフ・ミホラップ):人事担当

同社は本社事務所をサンフランシスコに置いているが、ベラルーシ政府がテック業界を支援するために開発したベラルーシ・ハイテクパークもに巨大なオフィスを持っている。

PandaDocは、警察の強制捜査は同社の創業者、特にミダド氏がルカシェンコ氏による民主化活動家の暴力的抑圧を公の場で抗議したことと関連があるに違いないと言っている。しかしミダド氏の行動は純粋に個人的なものだった。

最近、ミダド氏はこの抗議運動の指導的発言者となっている。ProtectBelarus.orgという活動を立ち上げ、抗議者に対する暴力や拷問の命令に背く決断をしたベラルーシ警察官を経済的に支援し、テック業界で働けるよう教育している。

ベラルーシの警察官は、実質的な「契約社員」となり、契約時に多額の支払いを受けるが、契約を破棄するとその時点で直ちにその金額は負債となる。

ミダド氏は声明の中で「8月29日現在、6000通以上のメッセージと約600件の支援要求を受け取った」ことを明らかにした。「同サイトは有志によって運営されておりPandaDocとの関係はない」と同社は説明する。

「世界のテック企業には、このメッセージをシェアし、#SavePanadaDocタグを付けて行動を起こすことでPandaDocを支援するようお願いしたい」とミダド氏は声明で呼びかけている。

「もはや法律はない。当局は法に従って行動しようともせず、上からの政治命令のために事実を捻じ曲げている。みなさんがもしこれは自分には関係ないと考えているなら、正反対であることを保証する。すでに全員に影響を及ぼしている」と声明に書かれている。

「これ以上黙ってはいない!国の法秩序は混沌状態だ。当局の行動は集団虐殺と抑圧以外実行されない。先へ進むほど戻すのに時間がかかる。断崖はすぐそこに迫っている。我々は、同僚を直ちに釈放し、容疑を解き、会社を通常通り運営させ、福祉と収益を元に戻せるよう要求する」。

ベラルーシ内の事務所は閉鎖を余儀なくされており、「ベラルーシ共和国以外にハイテクノロジー・パークの代わりを設立し始める」と同社は表明している。

PandaDocはつい最近3000万ドル(約32億円)のシリーズBラウンドを実施し、One Peak、Microsoft Venture Fund M12、およびEBRD Venture Fundから資金調達した。

8月9日のベラルーシ大統領選挙の後、警察は平和的抗議を暴力で取り締り、6名の死者を出し、450件の警察による拷問事例報告が国連に承認されている。なお、この選挙は自由で公正ではなかったとEU、英国、米国は認識している。ルカシェンコ氏に有利な投票操作が行われたことが広く報道されたためだ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

テンプレートからセールス書類を簡単に作れるエディタをPandaDocが発表

米国時間3月11日、セールスのための書類作成を自動化するスタートアップのPandaDocが、ウェブベースの新しい書類作成エディタを発表した。このエディタを使うと、セールスチームはデザインテンプレートを利用して素早く提案書や契約書を作成できる。

画像:EmirMemedovski / Getty Images

セールス用の書類はWordやGoogleドキュメントなどのワープロソフトで作るかもしれないが、テンプレートを使えば一貫性がありプロ級の仕上がりの書類を作ることができる。利用者は自由にカスタマイズできるが、テンプレートを使うことで美しい書類を作るためにデザイナーの手を借りる必要がなくなる。

PandaDocの共同創業者でCTOのSerge Barysiuk(セルジェ・バリシュク)氏によれば、同社には以前から、セールス用の書類は動きのないPDFやWord文書ではなくインタラクティブなものになるだろうというビジョンがあった。そこでインタラクティブな書類を作るエディタを構築し、同時に書類を開いてどれぐらいの間表示していたかといった利用状況をセールスチームが確認できるようにするために、多くのリソースをつぎ込んできた。

バリシュク氏はTechCrunchに対し「当社のプラットフォームに、新しい書類作成エディタを追加した。このエディタで、書類をカスタマイズし、データをまとめ、インタラクティブにすることもできる」と述べた。

PandaDocの書類テンプレート選択画面。スクリーンショット:PandaDoc(図はトリミング済み)

バリシュク氏によれば、書類にはビジネスロジックとデータが含まれ、しかもオンラインで見てもモバイルデバイスで見てもプロ級の仕上がりになるという。

PandaDocは、Wordなどのツールで文例を作る顧客がいることを認識し、ユーザーが既存の書類をPandaDocのエディタに読み込めるようにしていると同氏は語る。

書類編集機能に加え、セールスチームをサポートするために提案から契約、デジタル署名までの一般的なワークフロー、そして資金集めのフローも提供されている。

PandaDocは2011年に創業した。これまでに2100万ドル(約23億円)以上を調達し、PitchBookのデータによればポストバリュエーションは7000万ドル(約75億円)。従業員数は250人で、顧客は1万7000社だという。顧客の大半は中小企業で、プラットフォーム上ですでに200億ドル(約2兆2000億円)以上の取引があった。

直近では、2017年にRembrandt Venture Partnersの主導で1500万ドル(約16億円)を調達した。

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(翻訳:Kaori Koyama)