PipelineDBが今日(米国時間1/14)、PipelineDB Enterpriseのリリースを発表した。このプロダクトは、同社が昨年の夏にリリースしたオープンソース製品の、初めての商用バージョンだ。
協同ファウンダのDerek Nelsonの説明によると、PipelineDBはSQLデータベースの新しい見方に立って構築されており、データを大きなサイロに眠っているものではなく、データのストリームと見なす。
彼によると同社は、このようなタイプのデータベースに大きく賭けているが、今のところ業績は順調なようだ。彼が挙げるおおまかな数字では、インストール数が数千、終日稼働数が数百といったところだ。
商用製品はかねてから構想していたが、今やっとリリースするのは、大企業顧客からの需要が高まってきたからだ。高可用性を求める彼らは、レプリケーションやハードウェアノードのフェイルオーバーなど、オープンソースバージョンにない機能を要求する。このプロダクトをミッションクリティカルな目的に利用するためには、それらの機能が欠かせない。あるノードがダウンしたら、ほかのノードが自動的に取って代わらなければならない、とNelsonは説明する。
もうひとつ要望が多い機能は、リアルタイムのアラートだ。PipelineDBを詐欺の検出やセキュリティ侵犯の検出に利用している企業では、とくにそれが重要だ。リアルタイムアラートは、見逃してはならない異状を発生とほぼ同時に知らせる。さらに、今回のエンタプライズバージョンには、水平的スケーリングの能力と、24/7の技術サポートなど、大企業がつねに求める機能がある。何かがおかしくなったら、‘喉の痛み’でそれを即座に知る必要があるのだ。
エンタプライズバージョンを求めるのはユーザの数パーセントにすぎない、とNelsonは見ているが、でも今後同社が収益を上げていくための入り口としては、それが欠かせない。オープンソース企業の多くが、サポートを収益源にしているが、Nelsonによれば、同社はあえてその道を選ばなかった。
“商用ライセンスを売っていく方が効率的だし、投資の間隔も短くなり、本体(オープンソース製品)と商用製品と、今企画中のそのほかの製品の改良も迅速にできる”、とNelsonは述べる。
同社はすでにシード資金は獲得している(額は非公開)が、今でも最初の4名のファウンダたちだけがメンバーだ。意図的にリーンな形を維持しつつ、製品を商用化する有効な方法を模索していたのだ。
今でも、同社を独立企業として維持できるだけの収益があれば、外部資金は要らない、と考えている。Nelsonによると、ユーザも大半はオープンソース企業だが、その中の大企業は金を払うことを厭わない。それで十分だ、と。
PipelineDBは、Y Combinatorの2014年冬季クラスの卒業生だ。