今年のCESの会場で行った本誌のHardware Battlefieldは、実は14チームではなく15チームを本選に招待していたが、内一つは、合衆国行きのビザが取れず、出場できなかった。彼らPlayFrescoは、技術者とホビイストの集まりで、ワイヤレスで手などの動作による対話ができる、すばらしい技術を作り上げた。
彼らFeras Abed-AlhaqとMonier AghbarとSudqey Dwikatが作ったシステムは、専用のハードウェアを使わずに、どんなラップトップにも、モーションコントロールの機能を持たせることができる。子どもたちが何か円盤状の物を持てば、それがたとえば車のハンドルになる。手に持った何かを振れば、それが指示として伝わる。Leap Motionのように手の動きを情報として伝えるが、Leapと違ってこちらは、磁界を利用していろんな物や体の部品を感知する。
同社は、チェコのICT AllianceのMichal Zalesakから13万ドルの資金を確保した。今のパレスチナでスタートアップを立ち上げるのは容易なことではないが、徐々に状況は良くなりつつあるようだ。
Abed-Alhaqは言う、“パレスチナでは入手できる部品や機材が限られているから、電子製品を作るのが非常に難しい。最初のプロトタイプは紙で作ったが、それはとても大きくて、しかもまるっきりスクラッチで作らざるをえなかった”。
子どもたちがおもちゃで遊んでいるのを見て、アイデアが閃いた。Abed-Alhaqの小さな弟が、ガムテープの芯を車のハンドルに見立てて遊んでいたのだ。
“実験を何百回もやり、プロトタイプを数百種類作って、体の動きを検出できるシステムを作り上げた。そしてその技術の実用化のために、手に持った物の動きでいろんなプレイができるPlayFrescoを作った”。
そのシステムは、テーブルの下にあって、その上の手の動きをかなりの精度で感知する。数か月前にヨーロッパで見たとき、彼らは本誌のHardware Battlefieldに出たいと言った。結局今回、それは実現しなかったが、彼らはデバイスの完成度を高める努力を続けた。
資金を提供したZalesakはこう言う、“PlayFrescoはCEOたちの情熱と刻苦勉励の結晶であり、パレスチナの萌芽期の起業文化を代表している。彼らは技術とビジネスに集中し、そこに政治を混入させないよう努力している”。
今のシステムはPC用だが、携帯やタブレット用も計画している。また、Bluetoothによる、デバイスの違いを超えたモーションコントロールも構想している。今年は本誌のステージに立てなかったが、次の機会にはぜひ参加してほしい。
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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))