Plug and Play Japanが「Winter/Spring 2021 Batch」参加スタートアップの募集開始

Plug and Play Japan

グローバル・ベンチャーキャピタル/アクセラレーターのPlug and Play Japanは7月6日、次期アクセラレータープログラム「Winter/Spring 2021 Batch」の募集を開始した。同社では、約3ヵ月を1つのBatchとして、年に2回プログラムを運営している。

Winter/Spring 2021 Batchの募集期間は7月6日から9月7日。プログラム期間は2020年12月から2021年3月。Plug and Play Japanの企業パートナーとの連携を希望するスタートアップ、登記済みまたはプログラム期間中に登記予定のスタートアップ(すべてのステージのスタートアップが対象)。申し込みは、同社特設ページより行う。

同社のアクセラレーションプログラムは、「テーマ」を主軸として、国内外のスタートアップをグローバルレベルのスタートアップへと支援していくというもの。

同社では、1テーマ(領域)をVertical、1プログラムをBatchという単位で呼び、日本では東京で5 Vertical、京都で1 Vertical、合計6 Verticalを実施。​今回東京では「Fintech」、「Insurtech」「IoT」、「Mobility」、「Brand & Retail」を用意。京都では「Hardtech & Health」のプログラムを用意している。

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スタートアップは、このプログラムを通じて複数企業パートナーとの連携の機会を得られる。また、成果発表会であるEXPOで優勝したスタートアップは、本社シリコンバレーでのピッチ機会が得られ、グローバルマーケットへのアクセスも可能。

Plug and Playは、革新的な技術やアイディアを持つスタートアップを大手企業とともに支援を行う、シリコンバレー本拠のグローバル・ベンチャーキャピタルおよびアクセラレーター。世界33拠点に展開し、日本は東京と京都の2拠点を構えている。

ベンチャーキャピタルとしては、2018年は222社へ投資し、2019年から日本でも投資を開始した。日本ではプログラムのテーマや採択実績に関係なく、投資を検討している。

アクセラレーターとしては、世界30拠点でテーマごとのプログラムを運営しており、年間1000社以上を採択。

Plug and Play Japanはその日本法人として2017年7月に設立。現在まで5回のプログラムを実施し、合計400社の国内外の採択スタートアップを企業パートナーとともに支援してきた(2020年7月6日現在、企業パートナー数は38社)。

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左から、江原伸悟氏、フィリップ・誠慈・ヴィンセント氏、矢澤麻里子氏

米・シリコンバレーに本拠地を置き、2006年から10年以上にわたってアクセラレーター・投資家として活躍するPlug and Play。シリコンバレーのサニーベールにあるアクセラレーション施設の「Plug and Play Tech Center」には、米国内外から多くのスタートアップや、彼らを支援する大手企業(公式パートナー)が集まっている。現在では世界10カ国でアクセラレーションを実施。毎年約150社のスタートアップに出資しており、その中にはDropboxPayPal、最近ではLendingClubといった名前が並ぶ。

そんなPlug and Playが日本法人のPlug and Play Japanを設立。国内での活動を本格化した。日本法人の代表には、米国のPlug and PlayにてIoTやモビリティ領域のアクセラレーションを担当していたPhillip Seiji Vincent(フィリップ・誠慈・ヴィンセント)氏が就任。また、Venture Partner/取締役に元サムライインキュベートの矢澤麻里子氏が、Program Manager/プログラムマネジャーとして元楽天の江原伸悟氏がそれぞれ就任する。

Plug and Play Japanでは、第1期となる日本でのアクセラレーションプログラムについても発表している。プログラムには公式パートナーとして、三菱UFJ銀行、東急不動産、電通、パナソニック、SOMPO Digital Lab、富士通、フジクラが参画。Fintech、IoT、InsurTech(保険領域)の3つのテーマを主軸にして、日米中心に約20〜25社のスタートアップを採択。メンタリングや事業ノウハウ、オフィス環境の提供、パートナーによる支援などを行う。募集期間は9月1日より9月15日まで。プログラムは11月8日より3カ月間を予定する。申し込みは同社のサイトから。またプログラム開始に先駆け、10月には東京・渋谷に東急不動産とともにコワーキングスペースを開設する。

この数年で「オープンイノベーション」という言葉を随分聞くようになったが、まだまだ言葉ばかりが先行している状況といっても過言ではない。スタートアップと大企業で実証実験をやったら、その後に本格的な提携もなくプロジェクトは終了なんてケースも耳にする。Plug and Play Japanのメンバーもそういった状況は認識しているとのことで、米国や海外でかれらが手がけて北大企業とスタートアップの連携を日本でも実現したいと考えているようだ。同社は渋谷に完成する新拠点を軸に、大企業とスタートアップ、日本と米国やその他のエリアを結ぶ「イノベーションのプラットフォームを作っていく」(ヴィンセント氏)としている。

またアクセラレーションプログラムやコワーキングスペースの運営に加えて、スタートアップへの投資も進める予定だ。「日本ではシードマネー(の出資を)受けやすくなってきたが、(全ての)スタートアップが育っているかというと、また違う。あくまで投資は手段。それに加えて大企業との連携やグローバルなメンターのアドバイスなどでスタートアップを支援していく」(矢澤氏)