米国時間7月15日、バーチャルカード決済スタートアップであるPrivacy.comはシリーズAで1020万ドル(約10億9000万円)を調達したと発表した。このラウンドを主導したのはTeamworthy Venturesで、Tusk Venture Partners、Index Ventures、Quiet Capital、Exor Seeds、Rainfall Venturesが参加した。
なじみのない読者のために説明すると、Privacy.comは無料でバーチャルの使い捨て決済カード番号を生成するため(未訳記事)、実際のクレジットカード番号は安全な状態のまま使え、銀行口座と取引先企業を切り離すこともできる。データの漏洩がしょっちゅう発生し、疑わしくないウェブサイトを標的とするクレジットカードのスキミング(未訳記事)も起きる時代に、Privacy.comを利用するとハッカーは実際のクレジットカード情報を取得することが難しくなる。このアイデアは人気を得ており、同社はこの3年間で500万個のバーチャルカード番号を発行した。
Privacy.comのCEOであるBo Jiang(ボー・ジャン)氏はTechCrunchに対し、新たに調達した資金は昨年ベータテストをしていたカード発行APIの公開に役立てると述べた。このAPIによって法人顧客はバーチャルカードを発行し、自社のバックエンドシステムで従業員の支出を管理できるようになる。
「我々は、開発者が前もって透明性のある収益分配を確認し、サインアップしてプログラムによって同日中にカードを作れるようにする最初の企業だ」と同氏。Privacy.comは主に「元来、軽いソリューションでオンライン決済をする必要のある」アーリーステージの企業を対象にサービスを提供していくとジャン氏は言う。「この市場ではサービスがまだ行き届いていない。既存の企業の大半が、月々の最低利用額が決まっていてタイムフレームが長い大企業を対象にしているからだ」。
ジャン氏は、法人顧客に対するサービスをさらに強化するために、今回のラウンドの資金によって「人材を雇用して製品開発のペースをこれまでよりずっと速めたい」とも述べた。
画像:Cnythzl / Getty Images
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(翻訳:Kaori Koyama)