三代目歯医者が睡眠時無呼吸症候群の理想の治具を開発、自己の人生観もポジティブに

1800万人以上のアメリカ人が睡眠時無呼吸症候群の患者だと言われる。それは睡眠中の呼吸障害だが、睡眠の質を損なうだけでなく、脳卒中や心筋梗塞、 鬱血性心不全、高血圧症などのリスクを増す。

手術以外の治療法としては、持続的気道陽圧法(シーパップ(CPAP)療法)、一種の固定具のような口内器具などがある。しかし口内器具の多くは大きすぎて、耳の下の側頭下顎骨関節に苦痛をもたらす。

ソウルの歯科医Seungkyu Leeは、それまで多くの睡眠時無呼吸症候群患者の悩みや苦しみを見てきて、もうちょっとましな口内器具を作ろうと思いたち、10年間におよぶ研究開発の結果、QT33と呼ばれる十分に小型の器具を完成させた。そしてLeeのスタートアップdomobioは最近SparkLabsのアクセラレータ事業を終了し、合衆国での発売を目指してFDAの承認を待っている。QT33はすでにカナダではSNR.Xという名前で200の診療所が採用している。

QT33は韓国と中国とヨーロッパで特許を取得しており、素材として歯科矯正用の樹脂を使用、チタン合金製の小さなファスナーが前歯の裏側にある。患者が口を開けたり、顎を横にずらすと、そのファスナーは外れるが、ファスナーが閉じているときには、下顎を睡眠時に正しい呼吸ができる位置にキープする。

QT33を作る前にLeeは、患者に対して当時人気の高かった口内器具SomnoMedを使っていた。しかし一部の患者が顎の痛みを訴えたので、もっと薄くて簡単にカスタムメイドできる器具を作ろうと決意した。QT33の作成のために患者は、10分間のセッションに二回付き合うだけだ。最初は、歯の型を取る。そして次は、出来上がった器具が自分に合うことを確認する。一人の技士が1日に3つのQT33を作ることができる。そのほかの口内器具は、1日に一つがせいぜいだった。

QT33の現在のバージョンは約2000ドルするが、韓国ではすでに1500名の患者が使用している。

多くの睡眠時無呼吸症候群の患者に出会ってQT33を作ろうと決意する前のLeeは、歯科医は単なる仕事だ、と思っていた。父も祖父も、同じ職業だったのだ。

“親子三代90年も歯科医をやってる家だから、歯医者は生きていくための仕事にすぎなかった。でも睡眠時無呼吸症候群の患者に接するようになってからは、本当の、心からの感謝に出会って、考えが変わった”、とLeeは語る。

“夜寝ることなどは、当たり前のこと、と思っている人が多い。でも、それが当たり前ではない人もいるんだ”、と彼は言う。“睡眠時無呼吸症候群の患者は、すごく苦しんでいる。生活のクォリティを傷つけられているから、生きてること自体がつらいんだよ”。

QT33について詳しく知りたい人は、Leeにコンタクトを: sk.lee@domobio.co.kr

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))