さらに紙に近づいたreMarkableの新型Eペーパータブレット

私がreMarkableのファンであることは、特に隠してしない。reMarkableはリッチメディアやゲームではなく、文章を書いたりスケッチをすることに重点を置いた紙のようなディスプレイを備えたタブレットだ。その最初の機種より優れたものを目指した後継機種が、3月17日に発表された。

長い文章、電子書籍、ノート、スケッチといったモノクロのコンテンツの作成や閲覧のためにデザインされたreMarkableは、iPadやSurfaceとは違う、ミニマリストのための選択肢(または補完デバイス)として独自の路線を貫いている。この製品は、クライドファンディングで資金調達し、販売数は10万ユニットを超えた。同時に同社は成長を遂げ、1500万ドル(約16億円)のシリーズA投資を手にした。今思えば、その資金で新型機が発売できたのだろう。

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ひと目でデザインの変化がわかる。左側にクロームの帯を配した大胆な左右非対称の外観で、このタブレットは紙のノートに置き換えて使うものだと主張している。左手で持って右手で書くということだ。左利きの人はごめんなさい。

この新型タブレットは厚さが4.7mmしかない。iPad Proやソニーの競合機種Digital Paperよりも薄い。どちらも厚さは5.9mmだ。正直言って、この程度の厚さの違いはほとんどわからないが、それもひとつの成果だ。

だが、reMarkable最大の魅力は、おそらく書き心地の良さだ。同社はこの2年ほどの間に、可能な限りの改良を行ってきた。そのひとつに、スタイラスを画面に置いてから線が表示されるまで、これまでもわずか40ミリ秒だったものが、半分の時間に短縮されたという点がある。

そこはミリ秒が問題になる世界だ。本物の鉛筆と紙の場合は、当たり前だが遅延はゼロだ。reMarkableは優れているが、それでも大きく手を動かしたときや線を引くとき、多少の遅れを感じた。同社は私にこう説明している。

それ以上遅延を縮めるハードウェアは存在していなかったため、私たちは独自に技術開発することにしました。ディスプレイ自体を電子的に制御する方式を変更したまったく新しいディスプレイコントローラーの開発から、ピクセルごとの複雑な波形に一度に数百万回加えられる電流と電圧の見直しに至るまで、ディスプレイを制御するハードウェアとソフトウェアのアーキテクチャーを両方とも作り替えました。その結果、遅延は20ミリ秒となり、ジッターが減ってインクの流れがスムーズになり、完全に比類のないデジタル記述体験が完成しました。

この新型デバイスを手にしたら、すぐにその点を自分で確かめようと思っている。同社は、Eペーパー型ディスプレイの主要製造業者であり投資会社でもあるE Inkと、この新しいディスプレイの開発を行ってきた。仕様は前のものと同じだが、10.3インチ、モノクロ、1872×1404ピクセル解像度、226dpiとなっている。

下の動画は、型どおりだがよくできた、野心的なプロモーションビデオだ。

reMarkableを動かしているソフトウェアは、発売以来、大きなアップデートが何度か行われた。手書き認識の追加、インターフェイスの変更、性能向上などだ。新型では、最も要望が高かった機能がついに搭載された。ウェブ上の記事の保存だ。

Pocketを統合して欲しいという私の個人的な要望は受け入れられなかったが、代わりに彼らは、ウェブページの形式を変更してデバイスに送るChromeのプラグインを使った独自機能を搭載した。残念ながら私はFireFoxのユーザーなのだが、今は例外を認めるしかない。

同社は、バッテリーの寿命は3倍に引き上げられたと主張している。同じ3000mAhのバッテリーを使っているが、全面的に性能が向上し、省電力の(しかも以前より高性能な)デュアルコアのARMプロセッサーを採用することでそれが実現した。つまり2週間使えて、90日間放置できるということだ。前機種のバッテリーの寿命と電源管理機能はあまり良くなかったので、これはうれしい。

Marker(スタイラス)を試した最初の日から私が熱望していたものも追加された。消しゴムだ。もちろん、消しゴムツールを選択すれば、いつでも書いたものが消せたのだが、スタイラスの一方が消しゴムとして機能するようになった。これはワコムの技術で、同社との共同開発で実現したものだ。しかし、この消しゴム機能が使えるのは99ドル(約1万610円)のMarker Plusのみ。50ドル(約5360円)の通常版では使えない。どちらも、スタイラスはマグネットで本体にくっつく仕組みになっている。

「私たちはこの2年間、ワコムと密接に協力し合い、Marker Plusを開発しました。私たちが作った中で、最も美しいペンです」とreMarkableの共同創設者でCEOのMagnus Wanberg(マグナス・ワンバーグ)氏はTechCrunchに語った。「最高の素材とデザインに加えて、後ろ側が消しゴムになる機能を備え、reMarkableのソフトウェアとシームレスに動作します。私たちは、ワコムの技術チームと消しゴムセンサーの微調整を重ね、本物の紙の上で消しゴムを使ったような見た目と感覚を実現させました」

だが結局は、もっと安いものに目がいくかも知れない。reMarkableの恩恵をすべて得ようとすれば、700ドル(約7万5040円)と安くはない。reMarkable 2は、予約注文すれば399ドル(約4万2780円)だ。これにはMarkerと洒落た二つ折りのケースが付属する。最初の機種に手を出しかねていた人も、この新型には心が動かされるだろう。

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(翻訳:金井哲夫)

クラウドファンディングで開発を持続できたeペーパータブレットreMarkableがついに8月29日に発売

紙の単純性と多用途性をテクノロジーの力で再現したい、という願いは今でも健在だが、それを実現したデバイスはまだない。でも、reMarkableでそれが変わるかもしれない。この ユニークで意欲的なタブレットは、紙にできることをもっと上手にやることをねらっている。そのアイデアが4年前に提案され、クラウドファンディングに載ってから1年近いが、チームはついに最初の製品を8月29日に発売する

reMarkableを、金だけ取って消えてしまう幽霊プロジェクトだ、と思った人も多かった。でもチームは諦めることなく、集中力を維持し、そして幽霊とはほど遠い意外な結果をもたらした。

まだ開発途上の製品なので、最初の製品を受け取った人たちも、今後の忍耐が必要だ。ぼくもテストするとき、そのことを忘れないようにしよう。でも、チームが長年心血を注いだ核心部分は、感触と基本的な機能だ。製品が届いたらすぐに、報告記事を書こう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))