少なくとも1年に1回、Samsung(サムスン)はSamsung Unpacked(サムスン・アンパックト)と呼ばれるイベントを開き、何百人もの記者やアナリストや業界関係者を大きな部屋に集めて、最新の旗艦製品をすべて公開することにしている。2020年最初のUnpackedは、今朝、サンフランシスコで開催された。1400ドル(約15万円)の折り畳み式スマートフォンから100倍ズームカメラを搭載したハンドセットなど、すごい内容だった。
1時間の発表会をストリーミング動画を見たり、あちこちの記事を読みまくって情報を集める時間がないという人のために、とくに重要なものをここにまとめてみた。
Galaxy Z Flip
ついに出た! いくつかリーク情報があり、先週末のアカデミー賞授賞式ではびっくりするようなコマーシャルまで放映された、あのサムスンのガラケースタイルの折り畳み式スマートフォンが公式に公式なものとなった。その名はGalaxy Z Flip(ギャラクシーZフリップ)。2月14日までに出荷が開始されるが、1380ドル(約15万2000円)からという仰天の価格だ。
開けばスクリーンは6.7インチになる。畳んだときでも、外側の小さなディスプレイが、通知、電池の残量表示、クイックな自撮りなど、簡単な役目を果たす。また、半分だけ折り畳めば、ノートパソコンのような使い方もできる(上の写真)。Samsungではこれを「フレックス・モード」と呼んでいる。同社の宣伝によれば、ハンズフリーでビデオ通話をするときにとくに便利なのだそうだ。
Samsungの初期のプロトタイプでは、ヒンジ部分に埃やゴミが入り、ディスプレイを裏側から傷つけるという問題があったが、ゴミを防ぐファイバーの層をヒンジの内部に入れて対処したとSamsungは話していた。
Galaxy S20
2018年にはGalaxy S9、2019年にはGalaxy S10、そして2020年、Samsungは数を飛ばし、ネーミング法則を一気に進めてGalaxy S20とした。
S20、S20+、S20 Ultraの3つのバリエーションがあり、価格はそれぞれ、999ドル(約11万円)、1199ドル(約13万2000円)、1399ドル(約15万4000円)からとなっている。どれもディスプレイのサイズが異なる。S20は6.2インチ、S20+は6.7インチ、S20 Ultraは6.9インチだ。どのディスプレイも120hzで駆動するが、解像度はネイティブのQuad HD+から1080pに落とす必要がある。どのモデルも5Gに対応する。
最近発売されたさまざまなスマートフォンと同じく、Samsungもいちばんの重点をカメラに置いている。その仕様は、書類上の数値ではあるが、かなり衝撃的だ。
S20にはカメラが3つある。いちばん大きなものは、64メガピクセルの望遠レンズだ。S20+とS20 Ultraはカメラが4つに増え、深度センサーが付く。そしてS20 Ultraだけの装備として、かなりワイルドな108メガピクセルのセンサーが広角レンズに付く。カメラの仕様はモデルごとにずいぶん違っていて混乱するため、Samsungの仕様書を下に掲載しておく。
S20とS20+には、30倍「スペース」(デジタル)ズーム機能があり、S20 Ultraでは、それが100倍ズームに跳ね上がる。3モデルとも8K動画の撮影が可能だ。「シングル・テイク」とSamsungが呼んでいる機能を使えば、短い動画を撮影したとき、ブーメラン、ループ、AI補正写真など、いくつものオプションで加工できる。
面白いサプライズとして、SamsungはUnpackedの途中でイベントの様子をストリーム配信したのだが、それはS20で撮影してストリーミングされたものだった。
Samsungによると、予約受け付けは2月21日から。店頭に並ぶのは3月6日からとのこと。
Galaxy Buds+
Apple AirPodへのSamsungの答えがアップグレードされる。Galaxy Buds+は、見た目にはオリジナルのBudsのままだが、音質が(今でもかなりしっかりしているが)全面的に改善される。シングルドライバー・システムから、デュアルドライバー・システムに変更され、マイクの数も2つから3つに増やされる。
Buds+は、フル充電の状態で11時間使用できるとSamsungは話していた。いざというときは、充電ケースを使えばさらに11時間分の充電ができる。しかも、互換性のあるGalaxyスマートフォンを持っていれば、同社が去年発表した「パワーシェア」機能を使ってワイヤレス充電も可能になる。Buds+のケースをスマートフォンに接触させれば、3〜4分でたっぷり1時間分の充電ができるという。
Buds+の出荷開始は2月14日の予定。価格は149ドル(約1万6400円)。
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(翻訳:金井哲夫)