米国ロサンゼルス拠点のモバイルゲーム開発会社であるScopelyが2億ドル(約217億円)を調達し、最新の米国ユニコーン企業となった。バリュエーションは17億ドル(約1850億円)に跳ね上がった。
Scopelyは調達した資金を「引き続き行う新しいゲームの開発と買収に使う」としている。同社は全6つのゲームを展開したシリーズの開発を継続するようだ。このシリーズのこれまでの売上高は計1億ドル(約108億円)を超える。
今回の資金調達は、Scopelyの累計売上高が10億ドル(約1088億円)を達成したのに続くものだ。同社のポートフォリオにあるゲームにはLooney Tunes World of MayhemやStar Trek Fleet Commandが含まれる。これらは、最近買収したDIGIT Game Studiosと共に制作された。
CEOのWalter Driver(ウォルター・ドライバー)氏によると、実際のところ、今回の資金調達の理由の1つは、買収と新しいゲーム開発スタジオへの投資のペースを加速させることにある。
「独立したスタジオが参入する際の障壁は、合致するプロダクトマーケットを見つけることだ」とドライバー氏は語る。「彼らにとって、よりグローバルでスケール展開できる能力を持つというのは大いに役立つ」。
ユニコーンとなったこのゲーム会社は過去3年間、ラウンドの規模を年々拡大してきた。Scopelyは2016年に5500万ドル(約60億円)、2017年には6000万ドル(約65億円)、2018年には1億ドル(約110億円)を調達した。
投資家にとって、Scopelyに注目せずにはいられない(成功している一連のゲーム以外の)要因はというと、人気のモバイルゲームを支えるテクノロジープラットフォームだ。「同社のゲームでは、ゲームの途中で状況に合わせた体験にできる」とNewView Capitalの創設者でマネージングパートナーのRavi Viswanathan(ラビ・ヴィスワナータン)氏は話す。
グロースステージベンチャーキャピタル会社のNewViewは数十億ドルの投資会社NEAからのスピンアウトでScopelyの最新の資金調達をリードした。
ScopelyはNewViewにとって初の大きなゲーム会社への投資で、NEAからスピンアウトしたときにNewViewが引き継いだ投資先の1つだ。
ドライバー氏によると、Scopelyにとって今回調達した資金は、新進のゲームスタジオ相手に投資したり買収したりするため以上のもので、Scopelyを注目企業にしたテクノロジースタックへのアクセスを可能にする。
「我々のテクノロジープラットフォームは、かなりの数のプレイヤーのための無料デジタル体験を最適化しようとしている」と同氏は話す。「我々はまずゲームデザインの類を専門としたいと考えている、最も情熱的でかつ優秀なゲームデベロッパーや、我々が賞賛するような専門性を持っているデベロッパーの発掘に専念する」。
Scopelyが設立されてからの8年間で、モバイルマーケットでエグジットする機会により、ゲーム産業は大きく変容した。Scopely、そしてJam Cityのような企業のどちらも新たなプラットフォームに投資してきた。
「将来ゲームは、どのようにプレイするかユーザーに選択肢を与える無料のライブサービスが展開されると考えている」とドライバー氏は語る。「そうしたライブのサービスを洗練でき、目にするデータに対応し、プロダクトを最適化することができること」はScopelyのテクノロジースタックの根幹だった。
同社はすでに年間売上高4億ドル(約435億円)超を上げていて、NewViewやカナダ年金制度投資委員会といった投資家が最新のラウンドに資金を拠出しようと思うほどに成長した。さらにScopelyはゲーミングスタジオにいくつかのマイノリティ投資もしている。ドライバー氏は新たな資金で、独立ゲームデベロッパーのさらなる取り込みを図りたいと考えている。
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(翻訳:Mizoguchi)