どの基準に照らしても、KnockiのKickstarterキャンペーンは特大ホームランだ。目標額35000ドルに対して、なんと110万ドル集まったのだ。
でもCEOのJake Boshernitzanは、締め切りぎりぎり(東部時間土曜日の午前3時)までもっと伸ばしたい、と期待しているようだ。彼によると、キャンペーンの目標額はわざと低くした、なぜなら同社はすでにシード資金を獲得しているからだ。
“大量生産できるぐらいの資金とリソースはすでにある”、とBoshernitzanは語る。“キャンペーンの目標は、実際の受注量を大きくするためだ。5万台は無理でも、1万台、1万5千台、2万5千台ぐらいあれば、企業を維持できる”。
ところで、Knockiとは何なのか。それは、壁やテーブルなどの表面にくっつける小さなワイヤレスデバイスだ。そしてその面をタップすると、照明やサーモスタットなどのスマートデバイスをコントロールできる。キャッチフレーズは、“どんな表面でもスマートな表面にする”だ。
そんなアイデアは前からある。しかしBoshernitzanが主張するのは、Knockiがとてもシンプルなことだ。彼によると、インターネットに接続されたデバイスと対話するいちばんシンプルの方法が、タップだそうだ。
今は音声によるコントロールに関心が集まっていることを彼も認めるが、彼によると音声はあくまでもKnockiを補完するものであり、大音量の場所など、音声は使えないところもある。これから寝るので灯りを消したり、サーモスタットを下げたり、目覚ましをセットするようなことに、いちいち声を出すのは大げさだ。単純にタップするだけのKnockiの方が、生活になじむ。
そのビジョンはいいと思ったし、キャンペーンの前にBoshernitzanが見せてくれたデモにも感心した。ただし、ふつうの消費者がそんなに多くのスマートデバイスを持っているだろうか。
“Knockiを買ったけどNestのサーモスタットもPhilips Hueの電球もない…スマートデバイスなんかどこにもなくても、家にWi-Fiとスマートフォンがあるだけでいろんなことができる”、とBoshernitzanは語る。
たとえばKnockiをテーブルにつけておいて、タップすると自分のスマートフォンが今どこにあるか分かる。ドアに付けておくと、誰かが来たことが分かる。
KnockiのKickstarterキャンペーンはこのページだ。今(ぼくが本稿を書いてる時点)なら一番安く、79ドルで買える。発売は12月の予定だ。