PandoraがSoundCloudと提携し「明日のヒップホップスーパースター」を紹介する新番組を開始

SiriusXM(シリウスXM)傘下のPandora(パンドラ)は、SoundCloud(サウンドクラウド)と提携し「明日のヒップホップスーパースター」の音楽を紹介することを目的としたPandoraで利用可能な新ステーション「The Lookout by SoundCloud(ザ・ルックアウト・バイ・サウンドクラウド)」を起ち上げる。これは先日、Pandoraの親会社であるSiriusXMが、SoundCloudと提携し、Hip-Hop Nation(ヒップホップ・ネーション)チャンネルで同名の番組を開始したことを受けたものだ。2020年、SiriusXMはSoundCloudに7500万ドル(約85億8000万円)を出資していることもあり、同社がそのプロパティ全体でSoundCloudと手を組むことは意外ではない。

The Lookout by SoundCloudでは、Toosii(トゥーシー)、Sheff G(シェフG)、Metro Marrs(メトロ・マーズ)、Young Devyn(ヤング・デヴィン)、$NOT(スノット)、Dro Kenji(ドロ・ケンジ)、Cico P(シコP)、Flo Milli(フロー・ミリ)、Nevi(ネヴィ)、SoFaygo(ソー・ファイゴ)、Isaiah Rashad(イザヤ・ラシャド)、Sleepy Rose(スリーピー・ローズ)などの新しいアーティストを毎週紹介していく。このステーションでは、SiriusXMの同名の番組で聴かれる曲がフィーチャーされる。

「SiriusXMのHip-Hop Nationにおけるヒットを受け、今度はPandoraを新たなホームとするSoundCloudのトッププレイリスト『The Lookout』は、ファンが最高のヒップホップを発見するための最大のデジタルオーディオソースです」と、SoundCloudの音楽部門で暫定責任者を務めるR. Caiaffa(R.カイアッファ)氏は声明で述べている。「Pandoraと協力して『The Lookout by SoundCloud』を拡大することによって、新興ヒップホップ・アーティストのコミュニティを聞き、発見してもらうための役に立つという我々の共通の責務を強化することができます」。

この新しいステーションは、2019年に開始されたSoundCloudの最も人気の高いプレイリストの1つである「The Lookout」を起源とする。このプレイリストはその後、次世代のヒップホップの新星を発見できる場所として人気を博している。

SiriusXMは、The Lookoutがこれまでに、Pop Smoke(ポップ・スモーク)、Megan Thee Stallion(ミーガン・ジー・スタリオン)、Roddy Ricch(ロディ・リッチ)、Rod Wave(ロッド・ウェーブ)など、有名になる前の今日のヒップホップ界の大物アーティストにスポットライトを当ててきたことを強調している。

SiriusXMが、SoundCloudとさまざまな協業を行うことで、より若いリスナーを惹きつけようとしていることは明らかだ。さらに、SiriusXMは最近、TikTok(ティックトック)のクリエイターをチャンネルのホストとして起用した「TikTok Radio(ティックトック・ラジオ)」チャンネルを開設し、そちらでも若いリスナーの獲得に力を入れている。このチャンネルは、TikTokの「For You(おすすめ)」フィードのラジオ版のようにデザインされたものだ。

ここ数年、SiriusXMとPandoraは、音楽とポッドキャストの両方で競争力を高めるために、Simplecast(シンプルキャスト)やStitcher(ステッチャー)の買収も行ってきた。最近では、SiriusXMがオーディオエンターテインメント制作スタジオのAudio Up(オーディオアップ)と提携し、新しいオリジナル脚本のポッドキャストを開発している。

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画像クレジット:TechCrunch

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(文:Aisha Malik、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

SoundCloudがインディーズアーティストの収益モデルを変える「ファンによる」ロイヤリティを発表

音楽ストリーミングのロイヤリティの仕組みが根本的に壊れていることは前からわかっていた。収益が物理媒体による音楽の売り上げから切り離されシフトしていく中、多くの独立系アーティストにとって、録音された音楽で生計を立てることはますます難しくなっている。しかし、パンデミックが方程式からライブ音楽を完全に奪い取ったことで、問題は一気に顕在化した。

一部のサービスは、この流れに逆らっている。非常に人気のあるBandcamp Fridaysはその顕著な例で、月に1日だけアーティストとレーベルにすべての収益を提供している。そして今、SoundCloudは、独立系クリエイターへの支払い方法を大幅に改革しようとしている。この動きは、人気音楽サブジャンルの名前にまでなった同サービスで音楽を公開しているミュージシャンにとっては、朗報になる可能性がある

当サイトは来月初めから、新たな収益構造を導入します。Soundcloudは「Fan-powered(ファンによる)」ロイヤリティをこのように分類します。

「Fan-powered」ロイヤリティは、SoundCloudで直接マネタイズしているインディペンデントアーティストが、より公平で透明性の高い方法で支払いを受ける方法です。より多くのファンがSoundCloudを利用し、あなたの音楽を聴けば聴くほど、あなたはより多くの収入を得ることができます。

従来のモデルでは、あなたの熱心なファンからのお金は巨大なマネープールに入り、総ストリームのシェアに応じてアーティストに支払われていました。このモデルは、ほとんどの場合、メガスターに利益をもたらします。

新しい「fan-powered」ロイヤリティの下では、アーティストは自分のファンの実際のリスニング習慣に基づいて支払われる。熱心なファンが特定アーティストの音楽を聴いている時間が多いほど、アーティストはそれに応じてより多くの収入を得られる。このモデルは独立系アーティストにメリットがある。

このサービスは、一定のProアカウントを介して自分のページを収益化している独立系アーティストが利用可能だという。リスナーがサブスクリプションを持っているかどうか、他のアーティストと比較して特定のアーティストを聴いた量、聴いた広告など、最終的な支払い額には多くの要因がある(初回の支払いは2021年5月に実施される)。細則はこちらに掲載されている。

ミュージシャンは、過去1年の間パンデミックの影響により主要な収入源が断たれ、ストリーミング収入では生きていけないことをますます声高に訴えている。特にSpotify(スポティファイ)は、ミュージシャンに対し古い収益モデルを維持しながら、ポッドキャストの買収に数億ドルを費やしていることから、厳しい批判を浴びていた。

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カテゴリー:ネットサービス
タグ:Soundcloud 音楽ストリーミング

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(文:Brian Heater、翻訳:Nakazato)