Sourced(同社自身の表記では「source{d}」)は、開発者やIT部門向けにソフトウェア開発のライフサイクルを深く分析するプラットフォームを提供している。コードベースを分析し、利用されているAPIや開発者の生産性に関する情報などの指標を得ることができる。米国時間7月2日、同社はこのプラットフォームのエンタープライズ版を正式に公開した。これにはIT部門や経営陣がソフトウェアのポートフォリオや開発のプロセスを管理するための先進的なツールが多数含まれている。
SourcedのCEOであるEiso Kant(エイソ・カント)氏は次のように語っている。「Sourcedはアクション可能なデータをITのリーダーに提供するプラットフォームで、大規模なエンジニアリング組織のIT戦略を監視、測定、管理することができる。今回のSourced Enterpriseのリリースにより、エンタープライズにおけるソフトウェア開発のライフサイクル全体についてエンジニアリングを適切にオブザーブできるようになる。これは大きな進歩だ」。
ほかのエンタープライズ向けツールがそうであるように、Sourced Enterpriseもロールベースのアクセスコントロールなどのセキュリティ機能や専用サポート、SLAを提供している。IT部門はサービスをオンプレミスでもSaaSプロダクトとしても利用できる。
同社は、エンタープライズ版ではより大規模なコードベースを扱うこともでき、大きなデータセット上での複雑なクエリを数秒、あるいは相当大規模なデータセットでも数分で実行できるとも語った。こうした複雑で高度なクエリを作成するために、エンタープライズ版には多くのアドオンが含まれている。同社は「こうした機能を要望に応じて利用できる。アイデンティティマッチングやコード重複分析といった機械学習に依存することの多い課題を解決するのに役立つように作られている」としている。
サービスには広く使われているプロジェクトマネジメントツールやBIツールが統合されている一方、オープンソースのBIアプリケーションのApache Supersetも内蔵のデータ可視化ツールとして付属している。
こうしたデータ可視化機能は、Sourced Community Editionのプライベートベータでも利用できるようになった。
エンタープライズ版を公開前にテストしたオープンソースのCloud Foundry FoundationのCTO、Chip Childers氏は次のように語っている。「Sourced Enterpriseによって、Cloud Foundryのコードベースの進化、開発パターン、トレンド、依存関係がすべてダッシュボードにわかりやすく表示され、有用な知見を得られた。自社のコードベースとエンジニアリング部門がどうなっているかを本当に知りたいなら、Sourcedはぴったりだ」。
現在までにSourcedは、First VC、Heartcore Capital、Xavier Nielなどから1000万ドル(約11億円)を調達している。
画像:Getty Images
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(翻訳:Kaori Koyama)