Virgin Galactic(ヴァージン・ギャラクティック)は商業宇宙飛行に向けて、重要なステップを踏み出した。宇宙旅行を計画する同社は、SpaceShipTwoの2号機「VSS Unity」を米国カリフォルニア州モハベにある同社の製造施設から、ニューメキシコ州のSpaceport Americaに移動させた。同社は、創業者のRichard Branson(リチャード・ブランソン)氏が70歳の誕生日を迎える年内に、彼を宇宙へと打ち上げることを目標にしている。
VSS Unityは飛行機「VMS Eve」により係留され上空へと移動し、切り離され宇宙へと上昇する。そしてピーク高度の宇宙空間に到達するとエンジンを停止し、数分間のほぼゼロGとなる微重力状態を乗客へと提供する。
この90分の体験に、最初の旅行者はチケット1枚につき約25万ドル(約2700万円)を支払うことになる。これは高く思えるが、これまでの宇宙旅行の中では最も廉価な方法でもある。しかしチケットの保有者は、数年待ち望んでいた宇宙旅行を楽しむまでまだしばらく待つことになる。今回の再配置には宇宙船とその運搬用の飛行機の最終テストがともない、完了までにはまだ時間がかかる。
今回の準備では、宇宙船と輸送機を互いに接続して周囲の空域を飛行させる「キャプティブ・キャリー」フライトを何度か実施するとともに、VSS Unityによるロケットのフライトテストも行う。最終的に、Virgin Galacticは宇宙船の客室と、25万ドルを支払った旅行者が遭遇するであろう全体的な体験を評価し、最後の決定をする。
実際の運行に先立つ重要なテストの項目を考慮すると、VSS Unityの最初の商用飛行はまだ少し先になるだろう。前述したように、同社は70歳を迎えるブランソン氏のための飛行を優先していると伝えているが、状況次第では今年の終わりまでにほかの商用飛行も実施できるかもしれない。
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(翻訳:塚本直樹 Twitter)