3ステップで簡単に“ズボラデート”、次世代デーティングアプリ「dately」が正式リリース

モバイルアプリの企画・開発を手掛けるSTRACTは11月1日、デーティングアプリ「dately」を正式リリースしたと発表した。今回のリリースはiOS版アプリのみだが、Android版とWeb版も追って発表されるそう。現在対応する地域は東京のみ。今後は東京以外の関東、関西圏でのサービススタートも予定している。

Pairsなどを筆頭に日本でも多くのマッチングアプリやデーティングアプリが誕生してきたが、STRACTはdatelyを“次世代デーティングアプリ”と謳っている。一体何が“次世代”なのだろう。同社の代表取締役、伊藤輝氏に話を聞いた。

datelyの利用料は女性は無料で男性は月額4300円(税込)。大きな特徴は3ステップで簡単にデートができるところ。伊藤氏は同サービスを“ズボラデート”アプリと表現していた。

datelyでは1日のリコメンドをあえて絞ることにより、深く相手を知ることができるようにしている。1日に最大で5人までリコメンドする。これには「一人一人をちゃんと見て欲しい」といった気持ちが込められているそう。既存のサービスでは「大量のユーザーが表示されるため、本当の相性ではなく容姿の好みだけでお互いに評価をしてしまっている」と同社は指摘している。同社はこのリコメンドについてかなり自信があるみたいで、伊藤氏は「様々な指標にそれぞれ点数がついていて、その点数に合うユーザーのみをリコメンドしている」と話した。

伊藤氏によると、海外ではマッチングアプリのことをデーティングアプリと呼ぶが、国内では言い分けられているケースが多いという。同氏いわく、日本においてマッチングアプリとはTinderやPairsのようにマッチングした後にメッセージのやりとりを交わすもの、datelyのようなデーティングアプリはデート直結型でマッチングしたら比較的すぐにデートができるもの、といった具合に分類されるそう。datelyにいたっては、デートが決定するまでメッセージができない。これは既存のサービスにはない機能だという。

datelyではメッセージのやりとりの代わりに「質問カード」と呼ばれた機能が用意されている。マッチングアプリでは「メッセージが面倒」「お互いをよく知らないから会話が続かない」といったことが原因でメッセージのやりとりだけが続き、結局連絡が途切れてしまうことも多い。そんな課題を解決し「会うまでのやりとりを必要最小限にする」ことを目的に誕生したのが質問カードだ。

datelyのユーザーはメッセージのやりとりの代わりにこの質問カードを3つほどマッチングした相手に送り、それを回答する。テンプレートも用意されており、コミュニケーション能力がそれほど高くなくても円滑にファースト・コンタクトを取れるのがその魅力だ。「好きな料理は?」とか「最近見た映画は?」などの質問を考えるのは簡単だし、答えるのも楽しい。テストユーザー30人に一番ウケが良かったのも質問カードの機能だったそうだ。

質問カードへの回答が届くと男性はデートをするためのボタンが押せるようになる。可能な日程を選択し、ランチもしくはディナーを選ぶ。その後、エリアや雰囲気、値段を選択。最後に確認しボタンを押すと女性にデートプランが届く。女性は48時間以内に可能な日時や店を選び、デートは決定。大体1、2分ほどで予約が完了する。この後はメッセージで細かい調整などができる。

予約できるお店は同社が用意したデートにオススメのお店。厳選されたお店のみ掲載していて、かつ予約などでサービスと連携している。このようにお店に強いこだわりがあるからこそ、datelyの正式リリースは東京でのスタートとなったのだろう。

デート後、ユーザーは「デートはどうだったか」「相手はどうだったか」「2回目のデートをしたいと思うか」などのフィードバックを求められる。それによりリコメンドのアルゴリズムが更新されるという。

datelyはUIにもとてもこだわっていて、たとえば同社が「カルテ」と呼んでいるユーザーの特徴などの情報の登録もポチポチとボタンを押すだけで簡単に行うことができる。現在質問数は15問程度だが、これから30問ほどに増やす予定だ。テキスト入力が必要なく、簡単かつ直感的なので、テストユーザーからのウケも良かったという。

STRACT代表取締役、伊藤輝氏

伊藤氏はdatelyに関して「僕らの狙いとしては、とにかくデートをたくさんしてほしい。そこをひたすら追求している」と話した。そのために「UIに徹底的にこだわった」(伊藤氏)

「うちの会社はUIを強みにしている。これまでもUIの最適化で仕事をしてきたというのもあるし、既存事業も勝っている要因としてはUIが大きい。既存のアプリと機能面でさほど変わらなくても圧倒的に使いやすいことで継続率が高い。アプリが落ちたり動作が重いと、その人の時間を奪ってしまう。かつ、スマホやアプリに対する印象も悪くなってしまい、たとえば『ガラケーに戻そう』と考えてしまう人も出てきてしまうのでは。サービスを提供する側はユーザーに寄り添うことがすごく大事だと考えている」(伊藤氏)

同社はdatelyを“誰でも使えて素敵なデートができる”サービスだと説明しているが、それを可能にしているのはやはりUI面での強さだろう。これまでマッチングアプリやデーティングアプリを使ったことのない初心者ユーザーにとっても、質問カードやお店の自動予約機能によってとても使いやすい仕様になっていると強く感じた。

伊藤氏は14歳で月間200万PVのメディアを立ち上げた経歴を持つ。2017年7月に設立されたSTRACTのエンタメアプリは累計で300万ダウンロードを突破している。そんな同氏は「既存のデーティングアプリをディスラプトする新しいソリューションを提供したい」という想いのもとdatelyを開発した。

「オンラインデーティング市場はすごく伸びていて、今後も伸びるのは確実だ。現在はおよそ270億だが、あと3年くらいで倍になるのでは。僕たちはその10パーセントの獲得、10人に一人が使うアプリを目指している」(伊藤氏)