スマートフォンでニュースを見るとき、冗長な記事にはちょっと疲れてしまうことがある。もちろん「(仕事や趣味で)●●について知っておきたいからニュースをじっくり読む」という時は少しでも長くて詳細な記事を探して読むのだけれど、「移動中などに世の中の大きな流れをざっくり知りたい」という時は、短い記事で概要が分かればそれでよかったりする。
そんなスマートフォン時代のコンテンツ消費を意識して生まれた英語学習者向けのニュースアプリが、イオテックインターナショナルが12月15日に公開した「StudyNow」だ。
このStudyNowは、3パラグラフに集約した短かい英語ニュースを中心に、その対訳、解説(単語や熟語、常用の英語表現、さらには3パラグラフにおさまらないニュースの背景などの解説)をセットにして掲載している。なお、英語初心者向けに対訳が先に表示される「リバースモード」も用意する。
さらに課金アイテムの「魔法の鍵」を使用することで、ネイティブスピーカーによるニュースの読み上げ音声を聴くことができる。鍵は20個で200円、66個で600円、140個で1200円で購入できる。今後は「連続ログイン報酬」「記事の既読数による報酬」「ランキング」など、ゲームアプリのように利用度合いに合わせて鍵をユーザーに配布することも検討している。
掲載される記事は1日1本〜3本程度。現在は速報性より英語学習アプリとしての機能充実に重点を置いているということで、ちょっと古いニュースが届くこともあるのだそうだ。確かに音声の録音までするとなると、それなりの時間も手間もかかる気はする。ニュースのカテゴリはビジネスや政治といったカタいものもあるが、エンタメやゲーム、漫画・アニメといったユルいものの割合が多いようだ。英語記事はStudyNowの編集部で作成する独自コンテンツとなる。
アプリ誕生のきっかけは「英語教材がつまらないから」
イオテックインターナショナルの代表を務める増山雅実氏は、学生時代に麻雀の個人サイトを立ち上げて以来、オンライン麻雀に関する記事執筆や、サービス開発、英会話学校の運営などを手がけてきたそうだ。同氏のサイトである「初心者のための麻雀講座」は現在も月間200万PVほどあるという。
そんな増山氏だが、アプリ開発のきっかけについて、「昨今のブームである『ニュースアプリ』の文脈ではなく、『英語学習や英会話の教材がつまらない』という昔からの不満」があったからだと語る。「(これまでの英語)教材ではホテルや空港での他愛のないやり取りといった定番の会話から、時事ニュースといっても海の向こうで起こった政治経済など堅い話が中心。世の中では日本の漫画やアニメといったポップカルチャーが持ち上げられてはいるが、(教材として)教育の現場に持ち込まれることはまだまだ少ない」(増山氏)ということで、時事ニュースよりも取っ付き易いポップカルチャーなどの身近な話題で、継続して楽しめる学習題材を提供していくのだという。
鍵の課金による収益化のほか、今後は広告の導入も検討する。「いわゆるバナー広告的なものは排除している」(増山氏)とのことで、通常の記事と同様の英文、和訳、解説がつき、さらには音声も提供することで「クライアントの商品説明が英語学習コンテンツになる」というネイティブアドを導入したいとしている。さらには、ユーザーに魔法の鍵を提供する機能も準備しているそうだ。「勉強している人に『差し入れ』をするイメージ。告知によって露出が増え、記事が読まれやすくなる。また全体的なイメージアップを期待できる」(増山氏)。
確かにこれがうまくいけば、英語学習したいユーザーにも、広告クライアントにも幸せな仕組みができるのかも知れない。まずは広告を展開するためにもユーザー数の拡大が必須となる。