目指すはウェアラブルな「香水」デバイス、「Scentee」創業者の坪内氏に聞いた

コーヒー、焼肉、ベーコン。心くすぐる「いい匂い」がiPhoneにアタッチされたデバイスから漂う……という話がバズっていたりする日本のスタートアップ企業「Scentee」(センティー)だが、創業者の坪内弘毅氏に話を聞いてみると、食品会社と組んでの「バイラル・ソーシャル・マーケティング」とは印象の異なる、もっと大きな未来を見ているという。

Scenteeは2年半前に設立されたばかりのスタートアップ企業。「香り」をテーマに選んだのは、「世界に通用するビジネスを作っていきたい」という思いからだそうだ。「好きだったiPhoneに、目や耳、口の機能はあるのに、なぜ五感のうち鼻がないのかなと特許や技術を調べていくうちに8兆円の市場があることに気付いて事業化できないかと取り組みを始めた」と話す。

プロトタイプを作り、2013年1月にクラウドファンディングサイト「Capmfire」に出したところ、4日間で約300万円を集めるという記録を作り、「期待感やニーズを感じた」という。この数字は当時は歴代2位、ガジェット系では1位だった。最近では米国市場向けに作ったベーコンの香りのデバイスを紹介する動画が450万再生と話題を振りまいてきたりしたが、ギーク向けニッチ市場や食品会社との協業とは異なる取り組みを始めているという。

1つは、スマートフォンではなく、身に付けるウェアラブルに目を向けていること。最適化したタイミングで香りを発するようなデバイスを作ることで、「新しい香水会社を作りたい」という。これまでクレオパトラ以来何千年もある香水の歴史のなかで、利用者が、どこでどのような香りをどのぐらい使っているのかというログが取れるのは初めてのこと。データを活かせるのは、売ってしまった後には何も分からなかった香水会社と異なり、これは大きな革新になるだろうと話す。もう1つ、遠隔で任意のタイミングで香りを提供することができることから「医療用アロマ」という応用もあり、ヨーロッパでは実験的に取り組みを始めているそうだ。以下は、坪内氏へのインタビューの動画。創業期の話から、現在の取り組みまでを聞いている。


【動画】EC向け写真をクラウドで一気に白く切り抜き・レタッチ、「ZenFotomatic」創業者らに聞いた

2010年6月に大阪・堺市で創業したグラムスはファション系ECサイトを運営する会社としてスタートした。もともとファッション業界で働いていた創業者で代表取締役の三浦大助氏によれば、ネットでファッションアイテムを売るのは店舗などオフラインで売るのと違った難しさがあるという。

「単に納品された商品のビニールを剥がしてラックにかければ売れるというわけにはいきません。写真も撮らないといけません。何が難しかったというと、撮影後の写真の処理でした。そこで、より日々の運営を楽にするために、インフラとして開発を始めたのがZenFotomaticです」

商品を撮影してECサイトに画像を掲載するわけだが、このとき、商品を輪郭に沿って切り抜いたり、背景に映り込んでしまった余計なモノを除去するなどのレタッチ処理が必要になる。コントラストや明度、場合によっては色みなども調整するし、位置合わせなども行う。

こうしたレタッチ処理を人間がやると、手慣れたデザイナーでも1枚辺り5分程度かかるため、レタッチの単価は1枚100円程度になる。単純な切り抜き以上の複雑な処理を依頼すると数百円となることもあるという。ここを機械処理で一気にクラウドでやってしまおうというのがZenFotomaticだ。1枚辺り10〜25円で処理できるという。

以下の動画を見れば、だいたい何をやってくれるか分かると思う。

ぼくが気になったのは「レタッチ」といっても、単純に既存の画像処理ライブラリを使うなどしただけであれば、誰にでも実装できてしまうし、差別化できるのかというところだ。画像処理エンジンを開発しているエンジニアのホスフォード・ブレイン氏によれば、このエンジンは4年かけて社内向けとして開発してきたもので、他社がキャッチアップするのは容易ではないとのこと。実はZenFotomaticでは利用者が「この写真はレタッチに失敗している」と思えば、課金されないようになっている。この人間が判断したエラー情報のフィードバックは重要で、ブレイン氏はエラーが起こった原因の解明とアルゴリズムの改変を、過去4年間続けてきたそうだ。コンピューターサイエンスの画像処理研究の分野からアイデアを得て実装することもあるものの、実際の処理の多くは試行錯誤や自分たちで考えたアイデアによるのだという。

現在まだZenFotomaticは一般向けサービスとしてオープンしたばかりだが、プロモーションなしで国内1200アカウント、国外700アカウントと利用が広がっているという。今後の展開は? どの程度の市場性があるのだろうか? TechCrunch Japanでは、三浦氏とブレイン氏に話を聞いた。


【動画】思わずムキになる!? リアルタイム対戦型脳トレ「BrainWars」創業者の高場氏に聞く

リアルタイム対戦型「脳トレ」という、ちょっと聞き慣れないジャンルのゲーム「BrainWars」で起業したのは、サイバーエージェントで開発リーダーをしていたエンジニアの高場大樹氏らだ。BrainWarsを提供するトランスリミットは、まだ創業5カ月。プロダクトローンチも5月中旬と、まだスタートしたばかりだけど、すでにユーザーは15カ国にまたがり、1日1000ダウンロード、ユーザー数は2万を超えているといい、順調な滑り出しのようだ。

「世界を夢中にさせる新たなコミュニケーションを生み出す」というビジョンの元に、言語に依存しない中毒性の高いゲームをということで目をつけた「脳トレ」。ぼくもときどき起動してやっているのだけど、10代の若い人に反射神経で露骨に負けそうなのがイヤだなと思いながらも、ムキになってやっていたりする。脳「トレ」というだけあって、コッソリ練習を積めば結構強くなれるという面もあって、なおさら「負けてられない」と思ってしまうゲームでもある。

BrainWarsとは、どういうゲームなのか、対戦は実際にどういう風に行われるのか。マネタイズや潜在的な狙いはどこにあるのかといったことを、TechCrunch Japanでは高場氏に聞いた。以下の動画は、前半はデモを含むゲームの紹介、後半は実際の対戦のマッチングシステムやマネタイズ、起業の背景、今後の狙いといったことを聞いている。


【動画】”今夜のライブ情報”をキュレーションする「LIVE3」創業者の手島氏に聞く

創業メンバーの3人ともミュージシャンだというスタートアップの3.0 Incが4月初旬にリリースした「LIVE3」 は、イベント直前に売れ残っているチケットを探せるモバイルアプリだ。手島恭平氏自身の言葉だと、「今夜、なにする?」を解決するアプリということになる。

「ちょっと空き時間が3時間できたというときに、いま何をやっているか、それを見つける手段はない。1本通りの裏に入れば面白いイベントがあるかもしれないが、こうした情報はグーグルでも見つからない」という。

LIVE3を起動すると、自分がいる場所の近辺で行われているライブや演劇などのイベント情報が見つかる。現状のLIVE3では肝心の決済ができないが、狙いとしては、その場ですぐにチケットを購入したり、友人と情報をシェアできるということだ。

LIVE3は、2つの点で面白い。

1つは、実はイベントなど興行を行う「チケットを売りたい側」には、売れ残りチケットという大きな課題があり、ここを購入者とうまく結びつけているという点。アーティストのブランドイメージにもかかわるため、24時間以内に売り切らないと意味がないチケットだからといって値下げをして大っぴらに売るわけにはいかない。LIVE3はクローズドなコミュニティなので、これまでになかった販売チャネルとして機能するという。

もう1つは、LIVE3と似た「YPlan」というアプリがロンドンで爆発的人気となっていて、700万人のロンドンっ子の1割が毎日起動するほどの社会現象となっているという点。高校生時代にイギリスに留学していたという手島氏によれば、もともとロンドンには、その日の夜のミュージカルや芝居のチケットを安く売る街頭のスタンドに行列する文化があったという。

東京とロンドンとでは地理的条件に似たところがあるが、果たして日本で「直前チケット」の二次流通市場は根付くだろうか? その方策は? イベント興行を手がける企業との事業提携の計画は? TechCrunch JapanではTechLunchのゲストとして、手島氏に話を聞いた。以下の動画は、サービス概要と狙いのプレゼン(3分)と質疑応答(6分)だ。