子どもたちにプログラミングを教えると称するゲームやパズルは、今やとても多い。しかしその中でも、Tickleは傑出している。今KickstarterしているこのiPadアプリは、UCバークリー校コンピュータ科学の教授、Mike Chenの作だ。
Tickleは、子どもたちにプログラミングの基礎を教えるための言語としてかねてから有名なScratchを使用している。Tickle(くすぐる)という名前も、Scratch(ひっかく)にあやかっている。このアプリでは子どもたちはまず、部品的なコードブロックを組み立ててキャラクターを動かすことをおぼえる。
その次は既存の人気ゲームの自己流バージョンを作り、その後実際にApp Storeで売れるオリジナルのゲームを作る。また、スマート電球のPhilips Hueやドローン(無人機)AR.Droneなど、すでに実際にあるもののプログラミングを勉強する。
Kickstarterの締め切りまであと20日という今日(米国時間8/19)の段階で、Tickleは目標の3万ドルの1/3を集めている。Chenによるとアプリのベータのリリースは9月の予定で、Kickstarterで125ドル以上を支援した人はそれにアクセスできる。資金の募集は、開発費用を回収してアプリそのものはApp Storeで無料アプリとしてリリースするためだ。
Chenが言うには、大学で人に教えるという立場から、これまでのプログラミング教育の方法に不満だった。そしてそこから、Tickleというアプリが生まれた。
“大学では初等コンピュータ科学を教えているが、今のプログラミング教育に用いられている方法は要するにおもしろくない”、と彼は語る。“そこで、プログラミングを楽しいものにしたい、と考えた。そのためにはApp Storeで人気のあるゲームを利用するレッスンがよいだろう。Tickleは’Flappy Bird’や’Angry Bird’などのゲームもサポートしている。プログラミングを勉強するという視点でこれらのゲームを見ていくと、確かに子どもたちも積極的な関心を持つね”。
Tickleは、そのほかのプログラミング教育アプリと違って、インタフェイスはカラフルだし、ゲームのキャラクターを利用する。そして子どもたちのモチベーションをキープするために、一つのプログラミングの概念(例: 条件分岐)をおぼえると、それを使ったプログラムを彼らに実際に作らせる。
Chenは語る: “私がやりたかったのは、‘それで何ができるのか’というプログラミングの実用性を子どもたちに体験させ、子どもたちの関心を維持持続させることだ。実際に動く例を見せて、次は子どもたち自身にそれを作らせる。実際にゲームを作れるようになるまでの、段階的なレッスンがある。子どもたちは、自力でゲームを作れたらそれをApp Storeにパブリッシュできる。このように完全に実践的なところが、これまでのプログラミング学習アプリとの最大の違いだ”。
Tickleには、Scratchを使ってより高度なプログラミングの概念を教える部分もある。
Chen曰く、“Scratchはかなり複雑な言語で、大学のコンピュータ科学で教えるようなコンセプトもたくさん含まれている。オブジェクト指向プログラミングとか、パブリッシュ-サブスクライブパターン、並列処理など。だからこの言語を勉強すると、より高度なゲームも作れるようになる”。
このアプリはAirPlayを統合し、投射された画像上にタッチポイント(今子どもたちがiPadの画面のどこに触れているか)を表示する。それを見て親や教師は、子どもが今やってることを理解できる。
Tickleについて詳しく知りたい人は、Kickstarterのページを訪ねてみよう。
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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))