スマートキッチンデバイスの成績はかなりアンバランスだ。たとえばJuiceroという400ドルのジュース絞りマシンを売ってあきれられた会社は、Bloombergに手でやったほうがいいと書かれてすぐ店を畳んだ(ただし投資家が1.18億ドル以上注ぎ込んだ後のこと)。
一方、145ドルのWi-Fi、Blootooth対応デバイスのAnova Precision Cookerは、Kickstarterで180万ドルを集めたあと、2月には家電の巨人Electroluxに2.5億ドルで買収された。
しかし、どの次世代家電が消費者に受け入れられるかわからないという不確実性も投資家を止める気配はない。最近の話題は、 Tovalaというシカゴ拠点の3年になるスタートアップで、399ドルの「スマート」オーブンと、これを使って調理する料理(なすのグリルやアンズをかけたサーモンなど)を売っている。この会社が初期の出資者であるOrigin Venturesのリードで920万ドルの資金を新たに調達した。
このラウンドについて最初に報じたのはCrain’s Chicago Businessで、Pritzker Group Venture Capital、Morningstarのファウンダー、Joe Manusueto、レストランと不動産の起業家、Larry Levy、およびY Combinatorも参加した。Tovalaは、Y Combinatorアクセラレータープログラムの昨年冬学期出身。これで総調達額は1150万ドルになった。
TechCrunchは今年の夏にTivolaのスチームオーブンを紹介した —— アプリ経由で遠隔から操作できる。当時書いたように、このオーブンは、最高華氏550度(288℃)で10分から30分、焼く、煮る、蒸すが可能で、Tivalaのパッケージ料理以外に利用者の手料理にも使える。
しかしTivalaにとって本当に稼ぎ頭は料理配達サービスだ。共同ファウンダーのDavid Rabieは前回の記事の取材で、「従来のミールキットで最大の悩みは、料理のあとに残った鍋やフライパンや食器の山を洗うこと。当社の料理なら洗い物はなにもない」と言っていた。
このうたい文句が消費者に通じるかどうかはわからないが、この混み合って複雑な市場にTivalaがデビューを飾ったことは間違いない。
Blue Apronは、上場企業として投資家を失望させ続けたことで、今最も厳しい状況にあるが、現在も運用を続けている料理配達各社は、材料や栄養配分に気をつかいつつ顧客に新しいメニューを届けるという大きな課題に挑戦し続けている。
一方ベンチャーキャピタル会社もまだまだスマートホーム・テクノロジーを諦める様子はない。ハイエンド・キッチン家電や、それを支える定期利用システムもある。
たとえば今年5月、ステルスモードのIoT会社で国内向けにハードウェアとソフトウェアの製品を計画しているBravaは、 金額非公開のラウンドを完了し、昨年TPG GrowthがリードしたシリーズAラウンドの1200万ドルの2倍以上の資金を調達した。
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(翻訳:Nob Takahashi / facebook )