自動運転トラックのスタートアップTuSimpleが約270億円調達へ

TuSimple(ツーシンプル)は、Sina、Nvidia、UPS、ティア1サプライヤーのMando Corporationが投資する自動運転トラックのスタートアップだ。同社は投資家からの新しい資金を求めて市場に戻る。この動きに詳しい複数の情報筋によると、同社は投資銀行のMorgan Stanley(モルガンスタンレー)を起用して2億5000万ドル(約270億円)を調達する。

モルガン・スタンレーは最近、投資家候補に情報パッケージを送った(TechCrunchも目を通した)。パッケージには、会社概観、ビジネスモデルの概要、会社が成功する理由についてのピッチが含まれている。投資家を探す会社のピッチとしては標準的な内容だ。TuSimpleはコメントを避けた。

新しい資金の探求は、潜在的なライバルの数がますます増える中、TuSimpleの成長を加速させるために行われる。同社は、自動運転トラックというニッチな分野のユニークな会社だ。 自動運転車産業の金と関心のほとんどが乗用車、具体的にはロボタクシーに向かっていた2015年という時期に設立された。

自動運転トラックは、Google(グーグル)の著名なエンジニアがOtto(オットー)というスタートアップを立ち上げるまで、比較的ぼんやりとした存在だった。Ottoは2016年8月にUberに買収された。スタートアップのEmbark(エンバーク)と、今はなきStarsky Robotics(スタースカイロボティクス)も2016年創業だ。その間、TuSimpleは静かに拡大した。2017年後半にTuSimpleは、中国と米国でフルトラック2台のテストを拡大することを目的に5500万ドル(約59億円)を調達した。そして2018年までに、アリゾナ州のツーソンとフェニックスを結ぶ120マイル(193km)の高速道路、および上海で公道試験を開始した。

過去2年間に、IkeやKodiak Roboticsなど他社製品も登場した。Waymo(ウェイモ)も自動運転トラックを追求している。Waymoは少なくとも2017年からトラックについて口にしていたが、事業を急速に拡大し始めたのは2019年4月以降だ。Waymoの自動運転トラック部門は、消費者ロボット工学のスタートアップであるAnki Robotics(アンキロボティクス)の元CEOと1ダース以上のエンジニアを雇った。最近ではAmazon(アマゾン)が支援するAurora(オーロラ)がトラック分野に足を踏み入れた。

TuSimpleはいくつかの理由で際立っている。10億ドル(約1070億円)以上のバリュエーションで2億9800万ドル(約320億円)を調達し、ユニコーンのステータスを獲得した。豊富な労働力を抱え、UPSなどの有名なパートナーがいる。また、中国と米国にR&Dセンターがありテストオペレーションをを行っている。TuSimpleの研究開発は北京とサンディエゴで行われている。上海とアリゾナ州ツーソンにテストセンターがある。

中国との関係や中国での事業は、現在の米中間の緊張を考えると、メリットとも思えるし潜在的なリスクとみることもできる。TuSimpleの初期の投資家には創業メンバーのみならず中国からも参加している。中国最大のミニブログサイトWeibo(微博)を運営しているSina(新浪)はTuSimpleの初期の投資家だ。香港を拠点とする投資会社であり、既存の投資家であるComposite Capitalも投資家として加わっている。

近年、同社は投資家基盤の多様化に取り組み、確立された北米のプレーヤーを獲得した。顧客であるUPSは、2019年にTuSimpleの少数株主となった。同社は、Sinaが主導したシリーズDの資金調達ラウンドに追加で約1億2000万ドル(約130億円)出資すると発表した。同ラウンドには、CDH Investments、Lavender Capital、ティア1サプライヤーのMando Corporationなどの新しい参加者が含まれていた。

TuSimpleはオペレーションを拡張し続けている。2020年3月の時点で、同社はアリゾナ〜テキサス間を毎週約20回、40台を超える自律型トラックで自動走行していた。すべてのトラックで、人間のセーフティードライバーがハンドルの後ろに備えている。

画像クレジット:TuSimple

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(翻訳:Mizoguchi

自動運転のTuSimpleがUPSなどから約130億円を追加調達

自動運転トラックのスタートアップであるTuSimple(ツーシンプル)がシリーズDラウンドで新たに1億2000万ドル(約130億円)を調達した。本ラウンドを主導したのは中国最大のミニブログサイトWeibo(微博)を運営するSina(新浪)で、この調達により総額は2億1500万ドル(約233億円)となった。

2015年に創業し、中国、米国ではカリフォルニア州サンディエゴとアリゾナ州ツーソンに拠点を置くTuSimpleは2月にシリーズDラウンドで9500万ドル(約103億円)を調達してバリュエーションが10億9500万ドル(約1184億円)となり、ユニコーンの仲間入りを果たした。今回の追加調達にはUPSからの投資が含まれる。UPSは、アリゾナでTuSimpleと自動運転トラックの使用テストを開始した数カ月後の8月にTuSimpleの少数株を取得したと発表していた。

TuSimpleの累計調達額は2億9800万ドル(約322億円)となる。本ラウンドにおける新規投資者としてはCDH Investments、Lavender Capital、そして一次部品サプライヤーのMando Corporationが名を連ねる。

TuSimpleは、調達した資金を自動運転車両技術の開発の継続やアリゾナ−テキサス間の長距離輸送ルートの拡大に使う計画だ。

TuSimpleは業界用語で言うところの「フルスタック・ソリューション」に取り組んでいる。これは、自動運転に必要な各技術をすべて開発して統合することを意味する。TuSimpleはレベル4システムを開発中だ。SAEの定義では、このレベル4というのは車両が特定の状況で運転のすべてを担うことになる。

2017年後半にTuSimpleは、中国と米国でフルトラック2台のテストを拡大することを目的に5500万ドル(約59億円)を調達した。そして2018年までに、アリゾナ州のツーソンとフェニックスを結ぶ120マイル(193km)の高速道路、そして上海で公道試験を開始した。

TuSimpleのCFOであるCheng Lu(チェン・ルー)氏によると、同社はトラック50台以上と顧客18社を抱える。

そうした顧客の1社がUPSだ。UPSは当初、TuSimpleにレベル4の自動運転トラックがネットワーク内でどのように機能するか理解を深めるためのサポートを依頼した。その提携関係は拡大した。両社は5月、UPSネットワークのサービスと効率を改善できるか試そうと、ツーソンとフェニックスを結ぶルートで貨物を積んで走る自動運転トレイラーの試験を開始した。UPSとTuSimpleは目下、フェニックス-ツーソン間で毎日試験を行っている。

画像クレジット: TuSimple

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(翻訳:Mizoguchi)

自動運転トラックのTuSimpleが米郵便公社のパイロット事業を受託

今年初めに企業価値10億ドルを達成してユニコーン入りを果たした自動運転トラックスタートアップのTuSimpleは、米郵便公社(USPS)に技術を証明する2週間のテストを行う。

TuSimpleは米国時間5月21日、USPSパイロット事業の契約を受託したと発表した。2週間行われるこのパイロット事業では、1000マイル超離れているフェニックスとダラスの流通センター間をUSPSのトレイラーを引っ張って5往復する。試験期間中、安全のためにエンジニアとドライバーがトラックに乗り込む。

TuSimpleは各回22時間の自動運転走行を実施することになっていて、ここにはアリゾナ、ニューメキシコ、テキサスの各州をまたぐ高速道路10、20、30号線での夜通し運転も含まれる。

TuSimpleにとってこのパイロット事業は重要なマイルストーンだ。というのも、同社がテキサス州で自社トラックを走らせるのは初めてだからだ。また、システムを米政府に認めてもらうチャンスでもある。

多くのロジスティックやAmazonなどの配送事業の企業がコスト抑制や安全・運用の改善のために自動運転テクノロジーの活用に関心を示している中で、USPSはそのうちの1社にすぎない。

2015年に設立され、カリフォルニア州サンディエゴとアリゾナ州ツーソンに事業拠点を構えるTuSimpleはアリゾナ州で毎日トラックを走らせている。同社はこのほどSina Corpが主導したシリーズDで9500万ドルを調達した。そしていま、展開する商業自動運転トラックを6月までに50台超に拡大しようと準備を進めている。

TuSimpleはNvidiaやZP Capitalが出資したラウンドも含めて、これまでに1億7800万ドルを調達している。中国最大のミニブログサイトWeiboを運営するSinaはTuSimpleの初期投資家の1社だ。

イメージクレジット: TuSimple

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(翻訳:Mizoguchi)