WANをクラウド上で仮想化するVeloCloudが$21Mを調達して一般公開へ

クラウドへ移行しつつある技術のリストに、今やネットワーキングも加えるべきだ。長年CiscoやJuniperなどネットワーキングの巨人企業の領分だったwide area networks(WAN, ワン)を今では、 VeloCloud Networksのような企業がサービスとして提供している。そのVeloCloudが今日(米国時間6/17)、数社の有力VCから2100万ドルの資金を調達し、ステルス状態を脱して一般公開にこぎつけた。

カリフォルニア州ロスアルトスに本社を置く同社は、企業のネットワーク利用を最適化するサービスを売っている。CEOのSanjay Uppalによると、同社の技術によりモバイルユーザや企業の支社支店などが、ネットワークをもっとも効率的かつ費用効果の高い方法で利用できる。

Uppalは曰く、(性能が二年ごとに倍増するという)“ムーアの法則が通用しない領域が二つある。それは、電池とWANだ”。彼によると、従来のプライベートネットワークの費用は1メガバイト/1人/1か月あたりほぼ200ドルぐらいだったが、インターネットとその上のサービスを利用すれば、その1/100ですむ。

“うちがやろうとしているのは、その、200ドルではなく2ドルしかかからないインターネットを使ってプライベートなWANを構築し、ユーザ企業の選択肢を広げることだ”、とUppalは語る。

このプロジェクトをVeloCloudはこれまで、2年がかりで育ててきた。ネットワーキング方面のインキュベータThe Fabricから孵化したVeloCloudは2012年11月にシード資金を獲得し、次いでNEAから500万ドルを調達した。さらにその次はVenrockの指揮のもとに1500万ドルのシリーズBを調達、それは同社がステルスを脱する1か月前だった。以上で、合計調達額が2100万ドルになるのだ。

WANをクラウド上に仮想化するといっても、あまりぴんとこない人が多いかもしれないが、支社支店などの事業所が各地に分散している大企業にとってはネットワーキングの費用を大幅に節減できる可能性がある。VeloCloudはベータ時代にすでに20社の顧客があり、いずれも全国各地に多くの事業所を抱える大企業だ。

“うちはディープ・パケット・インスペクションを行っている。だから全国で2000の事業所があって、そのそれぞれでネットワーキングアプリケーションが動いている場合でも、それぞれに対して最良の情報伝送ラインを判定できる”、とUppalは述べる。

NEAのゼネラルパートナーKrishna “Kittu” Kolluriにとっては、ネットワーキングの仮想化は、エンタプライズアプリケーションがクラウド化しつつある今日の重要なトレンドの、一端を担うものだ。

彼のポートフォリオ企業の一つであるStorvisorは、ストレージを仮想化している。そしてVeloCloudはネットワークの仮想化だ。Kolluriはこう言う、“NEAのパートナーになったのは8年前だが、当時はセキュリティとネットワーキングの分野にはあまり動きがなかった。でも今では、コンピューティングとストレージとネットワーキングを区別する境界が、(消えたわけではないが)、非常に薄れつつある”。

写真: Flickr/Simon Cockell

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))