編集者注記: この記事の筆者Andrew Auernheimerまたの名Weevは、ハッカーで、AT&TのiPadの顧客向け情報サービスをハックして懲役41か月を宣告された。6月以降彼は、本誌TechCrunchに、これ以外にも二つのエッセイを刑務所から送ってきた。それらは、”The Tiger And The Cicada“と”State Machinery For State Machines“だ。
ぼくの最初のスマートフォンはNokia Communicatorだ。なんでもできそうなC++の開発キットが魅力だった。iPhoneが出ても乗り換えなかった。 コードを動かすためにはApp Storeに登録しなければならないという義務は、誰もが自由にコンピュータを使えるべしという理想に対する、図太い宣戦布告と思われた。その後ぼくはNokiaと別れてAndroidを持った。ぼくの道徳観からすると、選択肢はそれしかなかった。
多くのハッカーが、Richard Stallmanのイデオロギーを信奉している。たしかに、フリーなソフトウェアを使うことは、道徳的には優れている(フリーには、ソフトウェアのソースコードを見られること、すべてのユーザがそれを改変して配布できること、が含まれる)。Appleのプラットホームがいくら優秀でも、自由の価値には替えられない。Androidはフリーではないが、フリーソフトウェアの成分が多い。だから今のところは、もっともフリーだ。
BlackBerryの命は風前の灯だが、自由という名の炎の洗礼を受ける気があるなら、まだ望みはある。
Stallman自身は携帯を持とうとしない。どれもフリーソフトウェアでないし、政府が出入りする裏口(バックドア)があるからだ。彼の、理念への修行僧のような献身は立派だが、良き収入と良き性生活のためにはモバイルデバイスが欠かせないと知った者にとっては、非現実的だ。ぼくたちはEmacs教の教会から次第に足が遠くなり、真の自由の代わりに、ほとんど自由なプラットホームで我慢するのだ。
ぼくはAndroidの、ごたついたUI/UXと、Googleの監視国家の肥大を憎む。そう感じている人はとても多いが、でもBlackBerryなら全員がハッピーになれるかもしれない。BlackBerryは、ある一つの、革命的行為を実行するだけでよい。それは、モバイルのユーザとデベロッパを牢獄から解放することだ。すべてのソースコードをGPLv3準拠で公開する。すべてのハードウェア成分のスペックを公開し、コミュニティの誰もが自分独自のデバイスを、NSAや企業のバックドアなしで作れるようにする。毎四半期のBlackBerryの決算報告には、コミュニティからの感謝と忠誠の言葉が必ず載るようにする。
BlackBerryの命は風前の灯だが、自由という名の炎の洗礼を受ける気があるなら、まだ望みはある。もう、こうなったら、怖いもの・失うものは何もないのだから、今土壇場のBlackBerryは、モバイルの業界全体と世界の政府をディスラプトするための、度胸を持てるだろう。
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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))