ウィッシュリストが活躍するシーズンがやってきた。デンマークのスタートアップであるaddwishが、北欧方面で活動するアーリーステージ対象のVCファームであるSunstone Capitalより、180万ドルの資金を調達した。addwishは消費者およびオンラインビジネス企業の双方に使ってもらうためのウィッシュリストサービスを提供している。
addwishにとっては、これが最初の外部資金の調達となる。2008年以来、自己資金による運営を行ってきた。Brian PetersonとKasper Refskou Jensenが共同ファウンダーであり、これまでは他に職を持ちつつ、サービスの運営を行ってきていた。
今回、Sunstoneからの資金を得たことにより、フルタイムでaddwishの運営を行っていくこととなった。まずは来年中に、アメリカのオンラインショップ3000件の参加を目指したいのだとのこと。このアメリカでの展開のためにスタッフを雇い入れたりする予定で、資金はここに投入する予定となっている。
現在のところでは、500以上のオンラインショップがaddwishのウィッシュリストプラグインを利用しているそうだ。消費者側について言うと、日々1000人がサインアップしているのだとのこと。これを近いうちに1日5000人規模にまで持って行きたいと考えている。
尚、本年末までにはヨーロッパと北米をあわせて、2000以上のショップにてaddwishのプラグインが導入されることになりそうだという話もある。こうした動きの中、ウィッシュリスト数はクリスマスまでに25万に達するのではないかと見込んでいる(利用者数の動向が激しいからということで、現時点での正確な利用者数は教えてもらえなかった)。
ところでaddwishは、先週iOSおよびAndroid版のアプリケーションをリリースしている。欲しいものが見つかったときにすぐにウィッシュリストを作成して管理することができる。また友だちや家族間でリストを共有し、ウィッシュリストの中から既にプレゼントとして送ったものを管理することもできるようになっている。
消費者としてaddwishを使う場合、無料でサービスを利用することができる。販売サイトがaddwishのプラグインを利用している場合、その販売サイトの商品を簡単にウィッシュリストに登録することができる。サイト側で対応していない場合や、オンラインで購入できないものなども、マニュアル作業で登録することができる。
そして実は、店舗側もaddwishのプラグインを無料で利用することができる。addwishのビジネスモデルは、ギフトを探して検索する利用者に対してサジェッションを行うのに費用を発生させるというものだ。プロモーションを行うことで、コンバージョンレートは2%程度から一気に15%に跳ね上がるのだそうだ。
ちなみに商品サジェッションはさまざまな段階で行われるようになっている。たとえば特定の商品を検索する場合、タイプする毎にヒットする製品が提案される。最終的にマッチする製品がない場合には、ショップの製品と紐付けされることなく登録され、あるいはぴったりマッチするものがあればその製品が利用者に提示されることとなる。特定プロダクトの検索時のみならず、ギフトを探すあらゆる行動をきっかけとして、さまざまな商品提案が行われるようになっている。
今回の出資について、Sunstone CapitalのパートナーであるChristian Jepsenは次のように述べている。「Sunstoneとしては、addwishの今後に大きく期待しているのです。addwishは消費者とショップの間を橋渡しするプロダクトで、世界中のどこでも通用するものです。これから世界中で利用されるようになる可能性もあります」。今後の発展を楽しみに見守りたいと思う。
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(翻訳:Maeda, H)