送料負担で新製品をお試しできる「milcoco」が正式版リリース

女性向けメディア「LOCARI(ロカリ)」やDIYレシピ共有サービス「Creon(クレオン)」の運営元としても知られるWonderShake。同社が手がける新商品トライアルサービスの「milcoco(ミルココ)」が8月1日、正式版としてリリースされた。

milcocoは、送料関係費を負担するだけで化粧品や食品などの新製品をいち早く試すことができるサービス。あくまでトライアルサービスということで購入できる個数が限られてはいるが、新製品を定価よりも安く購入できるというメリットもある。

例えば、取り扱い商品の1つであるラサーナの「海藻モイストヘアミスト」の定価は1800円。一方、milcocoでは同じ商品を980円で購入することができる(あくまでサンプル商品のため、表記は“お試し”となる)。ちなみに、同商品は楽天市場でも取り扱いがあったが、記事執筆時点での最安値は1357円だった。たしかに他のECサイトよりもお安く購入できるようだ。

milcocoはユーザーから見れば安価に新製品をお試しできるサイトだが、企業は、サンプル商品をmilcocoに提供する代わりに、同サービスをテストマーケティングの場として利用することができる。同サービスに投稿されたレビューを無料で広告内に記載することができるというメリットもある。

顧客が製品を気に入れば、今後も継続して購入してくれるかもしれない。そういう意味では、20〜30代女性をターゲットとするmilcocoを使って潜在顧客にリーチすることも可能になる。

とはいえ、サンプルを提供する企業からすればある程度のレビュー数はリターンとして欲しいところだ。それについて、milcoco事業を率いる徳留智矢氏は「レビューは商品の申込数に対して約2割程度投稿していただいており、レビューの二次利用をしたいという企業も存在する。アンケート機能もすでに実施を進めており、商品を体感した後の態度変容などの情報を収集することができている。今後は、スクリーニング機能やセグメンテーションなど、アンケートにおいてできることを改善していきたい」と語る。

milcocoは2017年2月からベータ版を提供し、これまでに1万人の会員ユーザーを獲得。サービス上で購入できるサンプル数は約100点だ。

「今後はさらなる会員獲得と、アンケートやSNSへの投稿などの導線を強化していくことでサービスを堅調に伸ばしていきたい。さらに中長期的には、ユーザーとメーカー担当者様がコミュニケーションできるようなインタラクティブなサービスを展開できればと考えている」(徳留氏)

送料負担で新製品をお試し ― LOCARI運営のWondershakeがサンプリングサービス開始

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トライアルマーケティング事業責任者の徳留智矢氏

ライフスタイル・メディアの「LOCARI」、DIYレシピ共有サービスの「Creon」など、女性向けサービスを展開してきた日本のWondershakeは2月28日、20〜30代の女性をターゲットにしたサンプリングサービス「milcoco(ミルココ)」のβ版を公開する。

milcocoは、送料関係費を負担することで、新製品(化粧品、食品、日用品など)を格安で試すことができるサービスだ。企業はmilcocoのターゲットとなる20〜30代女性を対象にしたテストマーケティングを行うことができ、milcocoに投稿されたレビューを無料で2次利用して広告などに記載することもできる。

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画像は開発中のイメージ

企業へフィードバックする仕組みは今のところ任意のレビュー機能だけだが、今後はアンケート機能も追加することで企業側のニーズも満たしていく。また、milcoco独自のメールマガジンを経由して、ECや実店舗への誘導も無料で行うという。企業側に必要なのはトライアル商品の提供のみで、サンプリングの実施に費用はかからない。

β版ではモバイルWeb版の提供のみとなるが、今年6〜7月公開予定の正式版までにはアプリもリリースできればとのこと。

Wondershakeはこれまでに、女性向けメディアのLOCARIとDIYレシピ共有アプリのCreonを提供してきた。昨年11月にβ版をリリースしたCreonは先月までに4万人のユーザーを獲得。LOCARIのMAU(月間アクティブユーザー)は1000万人で、これまでに450万回のダウンロード数を記録している。

前サービスのCreon同様、milcocoが生まれたきっかけはユーザーからの声だった。事業責任者の徳留智矢氏は、「私たちは毎日のようにLOCARIユーザーに対してヒアリングをしています。グループミーティングもしますが、基本は1日に3〜4人を対象にした個別ヒアリングが中心で、多い時には1カ月で100人以上のユーザーと話をすることもあります。そこから分かったのが、『失敗したくない。損したくない。でも新しいことも体験したい』という20〜30代女性のニーズでした」とmilcoco誕生の背景について語る。

また、WondershakeはLOCARIを通して「少なくとも100人以上」(徳留氏)のインスタグラマーを抱えている。そのため、milcocoでは彼女たちを活用したマーケティング施策を数十万円の費用で提供することが可能だ。milcocoはまだ生まれたばかりのサービスだが、同じ女性をターゲットとするLOCARIから一定のユーザー流入も見込めるだろう。

LOCARIユーザーは新規事業が誕生するきっかけであり、さらには新サービスへのユーザー流入源でもある。彼女たちを中心として形成されたエコシステムを活用して、Wondershakeは今後も新サービスの創出を続けていくそうだ。

ただ、サンプリングサービス自体は新しいものではない。ビジネスモデルは多少違うものの、海外ではインフルエンサーを有効活用する「Influenster」があるし、日本でもNTTコム オンライン・マーケティング・ソリューションが提供する「Potora」や、マーシュが提供する「シェアビュー」なども同様のサービスを提供している。

この分野に新しく参入するWondershakeの勝算はなんだろうか。徳留氏は「同様のサービスを見てみても、20〜30代の女性にリーチできるものは少ないと感じた。その点、WondershakeにはLOCARIをはじめとする顧客ベースがある。また、この手のサービスには珍しく、送料関係費をユーザーが負担する仕組みなので企業側の負担が少ないことも特徴だ」と話している。

milcocoのβ版では、10社程度の企業から約20のサンプルが用意される予定だ。