カニエ・ウェストとアディダスは、Yeezyではじまったコラボが、本格的なパートナーシップ契約へと発展予定だと発表した。
アディダスが「スポーツブランドと非アスリートの間で今まで結ばれたパートナーシップの中でもっとも重要なもの」と評する今回の契約で、ナイキがジョーダンブランドをつくり上げたように、今後アディダス内で新たなビジネスユニットが誕生する予定だ。
新たなビジネスユニットは、カニエと共にシューズやアパレル、アクセサリーの新ラインを展開する予定で、スポーツ用品だけでなくストリートウェアの製造も行う。これは、現在のYeezy 350と750にとどまる両者の協業を考えると、大きなステップアップといえる。Yeezy 350・750は、数量限定で販売されているスニーカーで、200〜350ドルの小売価格にも関わらず、流通市場では未だ1,000ドル超の高値をつけている。
同スニーカーに対するカニエファンの飽くなき憧れが高値の背景にあり、数量限定というアディダスのYeezyシリーズに関する方針と消費者の思いは噛み合っていない。スニーカー、アパレル、アクセサリーというフルラインナップの登場によって、現在問題となっている数量不足が解消されるかもしれない。
結局のところ、流通市場でいくら数千ドルの高値をつけていたとしても、アディダスとカニエの懐には小売価格の200ドルか350ドルしか入ってこず、その数量も限られている。今回の新たなパートナーシップ契約で、両者の働きがようやく報われるかもしれない。
アディダスはさらに興味深いことに、新しいパートナーシップ契約の一環として、「アディダスとカニエのコラボ商品専用の特別なハブとなる」店舗を展開する予定だと語った。実際の店舗がどのような姿になるのかについては未だ不明だが、今回のパートナーシップ契約によって専用の店舗が作られるということは、単独である程度ビジネスが成り立つくらい、新しい製品ラインは拡張性をもっている可能性がある。
しかし、テック業界への感心が高い者として、なぜ私たちはカニエの新たなビジネスについて知る必要があるのだろうか?
その理由として、2016年の現在、ファションや音楽、ポップカルチャーやテクノロジーが本質的にひとつに集約されているということが挙げられる。私たちは、新しいアルバムが発表されると、アルバムそのものと同じくらい、そのアルバムがどのストリーミングプラットフォームで発表されるのかということを気にかけているし、スニーカーやストリートウェアの流通市場をサポートするためのアプリを制作している企業も存在する。さらには、TwitterやFacebookなどのプラットフォームが、有名人とファン間の交流の形を再定義しつつあるのだ。
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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter)