カリフォルニア州レッドウッドシティを拠点とする、設立6年目の企業Impossible Foodsが、7500万ドルの資金を調達したことを、先週ひっそりと公表した。ファンディングを主導したのはTemasekで、Open Philanthropyだけでなく以前からの投資家たちであるBill Gates、Khosla Ventures、そしてHorizon Venturesも参加している。
それ以上の詳細については公表しないと同社は語ったが、今回のラウンドによって調達資金はおよそ3億ドル近くに達した。過去にはGV、Viking Global Investors、そしてUBSが参加していた。
Impossibleのハンバーガーは、ヘムを運ぶタンパク質の大豆レグヘモグロビンを用いて作られている。ヘムはあらゆる動物や植物の中に自然に存在する、鉄原子を抱えた分子だ。
同社は、多くの動物由来製品を、植物由来の製品で置き換えたいと明言しているが、現段階では明白に、そのハンバーガーを世界に広げようとしているようだ。この戦略の一環として、同社は5月にカリフォルニア州オークランドに工場を開設した、そこでは毎月100万ポンド(約450トン)の「植物肉」を生産することが期待されている。
ハンバーガーは現在、一部のレストランでのみ提供されているが、Impossibleは自社製品を食料品店に早く供給するためには、動きを早める必要があることを認識したのだ。他社製品であるBeyond Meatのハンバーガーは既に、Whole FoodsやSafewayの数百箇所で販売されている。Beyond Meatは動物性タンパク質で作られた食品の代わりに植物由来の製品を生産する、Bill Gatesによって支援されている企業だ。
先週Beyond Meatは、13州にまたがる600以上のKrogerの店舗でも販売を開始すると発表した。
Impossibleの大型ラウンドは、その野望を考えれば意外なものではない。とはいえTemsakは、まず最初にImpossibleのことを良く理解しているということを示す必要があった筈だ。
Impossibleの創業者兼CEOのPatrick Brownは、この5月、私たちの編集者がホストを務めたイベントで、一般的に投資家たちは、理解していない科学を扱う取引について、十分な勉強をしていないと述べていた。
「私はVC、特に私たちに投資したVCが大好きです」とBrownは語った。「しかし、テクノロジー企業の基盤をなす実際の『科学』に対して、彼らが如何に精査を行わないかは、本当に驚くべきことです」。
「ときどき」と彼は冗談半分に語った、「一緒に仕事をしているVCの中には、私に他の会社の中身を見てくれと依頼してくるところもあります。しかし、実のところそこで私が何を言っても意味がないのです。なぜなら時折私は『もし私があなただったら、そのままお金をトイレに流しますね、どうせお金が無くなるなら、その方が速いし簡単ですから』と言うのですが、その意見は聞かれず、結局取引が行われるのですから」。
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(翻訳:Sako)