コンテンツ監視は2020年の厄介な問題の1つだ。そして私が「厄介な」というのは、その問題に関して議会聴聞会が複数回開かれるという意味だ。中でもTwitter(ツイッター)とFacebook(フェイスブック)はこの件を巡る問題から抜け出すことができていない。問題のあるコンテンツを十分に取り除かなかったという苦情を受ける一方で、会社は検閲をよしとして投稿を削除する表現の自由の敵だと指摘されている。
後者は、右翼指向のTwitter競合サービスであるParlerが存在する唯一の理由と思われる。
ニュースレタープラットフォームのSubstackは、その人気が高まるにつれ、コンテンツ監視に関わる途方もなく困難な問題に直面しつつある。米国時間12月22日、同社は長文のブログ記事を公開し、少しでもそうした懸念の芽を摘めることを願っている。文章には多少の穴もあるが、プラットフォームの表現の自由に対する意気込みの大部分が説明されている。
ほとんどの場合、コンテンツの閲覧に意味はなく、実際、逆効果になることもあると私たちは考えます。厳しい検閲はコンテンツに本来以上の注目を呼び集めることにもなり、同時にコンテンツの作者には、将来の利益と引き換えられる殉教者コンプレックスを与えることもあります。私たちはアイデアの競争を望みます。反対意見と議論は重要だと信じています。私たちは非同調を称賛します。
このスタンスは、Substackがサブスクリプションベースのビジネスモデルにこだわり、現在、TwitterやFacebookなどのサービスを支えている広告モデルとは異なることを反映している。Substackは、ライターの購読売上の10%を手数料として受け取る。これでスポンサー圧力の問題をある程度避けられることは間違いない。サブスクリプションモデルは、ユーザーが個別の記事を自ら選択する必要がある、という意味で、コンテンツ間の境界がはるかに流動的なTwitterやFacebookのようなプラットフォームと大きく異る。
「私たちは『もっと言論コントロールされたSubstack』や『広告のあるSubstack』と喜んで競争します」と同社は書いている。
もちろんそこには経済的事情がある。常にある。Substackは、FacebookとTwitterのやり方を非難してきた右翼と保守の声を支援することに偏った興味を持っている。中でもThe Dispatchは、同サービスの政治関連ランキングのトップにいる。2020年のTechCrunchでのインタビューで編集者のStephen Hayes(スティーブン・ヘイズ)氏は同サービスを「誰はばかることない中道右派」と評し、一方で現在のキャッチコピーは「保守的」だ。
「中立的な意見はありません」とSubstackはいう。「多くのシリコンバレーテック企業は自分のプラットフォームを政治と無縁にしようと努力していますが、そんな目標は達成不可能だと私たちは考えます」。これになんらかの真実があることは間違いない。どんな立場であれ、コンテンツ監視はある程度政治的なものであると見ることができる。そしてどんな検閲であれ、全員を、いやほとんどの人でさえ、100%幸せにすることはできない。
しかし、Substackの人気が高まるにつれ、その無干渉アプローチが大きな試練を迎えることも容易に想像できる。同サービスのアプローチには、消費者の前に自らの名前を出すことが入っているので、個人パブリッシングプラットフォームとしては見られないことになる。
Substackは、それでも一線を越えるコンテンツは当然存在するといい添えた。「もちろん、限界はあります。たとえばSubstackはポルノを許していません。スパムも。私たちは晒し行為やハラスメントを許しません」。
カテゴリー:ネットサービス
タグ:Substack
画像クレジット:Substack
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(翻訳:Nob Takahashi / facebook )