「見えない小売店」を目指すDarkstore

オンデマンドフルフィルメント(商品の受注決済在庫管理配送を全て手がけるサービス)スタートアップのDarkstoreが、T-Force Final Mileと提携し、さらに33の全国のマーケットを追加した。これによってDarkstoreが対象とするマーケットの総数は40となった、その中にはサンフランシスコ、ロサンゼルス、ポートランド、マイアミ、アトランタ、ボストン、リノ、そしてオースティンなどが含まれている。

T-Force Final Mileは、IKEA、Office Depot、そしてAmazonのための配送を行っているラストマイル配送会社だ。この提携のおかげで、Darkstoreは全国にあるT-Forceの40の倉庫をフルフィルメントセンターとして利用できるようになる。

Darkstoreは、顧客基盤を拡大するため、ショッピングカートの提供も発表した。これにより、各電子商取引ブランドは、コードを1行書くだけで、容易にオンデマンド配送を顧客に対して提供することができるようになる。

Darkstore’sのT-Forceとの提携と、ショッピングカートサービスの提供はDarkstoreの「見えない小売業者」になるという目標の一部を成すものだ。これはDarkstoreの創業者のLee Hnetinkaが先週私に語ったものだ。

Darkstoreは、貯蔵施設、モール、小売店の余剰倉庫を活用し、スマートフォンだけでフルフィルメントセンターとして機能させる。基本アイデアは、地元に倉庫のないブランドが、それをDarkstoreに保存しておき、当日出荷ができるようにするということだ。Darkstoreは在庫に対してはブランドに対して何も請求しないが、Darkstoreから出荷されるアイテムごとに価格の3%もしくは最低2ドル、そして最高20ドルまでを請求する。

実際の配送に関しては、DarkstoreはサンフランシスコのAxleHireやUberRUSHのような企業と提携している。他のマーケットでは、Darkstoreは、例えばDelivやブランドが使用したい他の地元の配送業者などのサービスを使用する。

Darkstoreの顧客一覧にはマットレススタートアップのTuft & Needle、プレミアムヘッドホンメーカーのMaster & Dynamic、衣料ブランドのWildfang、そしてソファスタートアップのBurrowなどが登録されている。

Darkstoreは昨年5月にローンチした。それ以来、Darkstoreは150万ドル以上の資金調達を行って来ている。4月にはPivo​​tNorthからの140万ドルの資金調達が続いた。Darkstoreの目標は今年末までに1億1000万ドル相当の製品の出荷を行なうことだ。Hnetinkaによれば、Darkstoreはその指標を「予想以上に早く達成している」。

平均してDarkstoreは1注文当たり16.50ドルの収益を挙げている。平均注文額は550.22ドルだ。昨年には、Darkstoreは毎月25%の収益と注文の伸びを見せていた。

[ 原文へ ]
(翻訳:Sako)

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。