恋人探しのマッチングアプリ「イヴイヴ」を提供するMarketDriveは2月21日、名称非公開の法人1社と個人2名の既存投資家計3名を引受先とする第三者割当増資を実施した。調達金額は1億1000万円だ。
海外生まれの「Tinder」、エウレカが提供する「Pairs」、サイバーエージェントグループの「タップル誕生」、ネットマーケティングの「Omiai」など、ここ数年でマッチングアプリが以前にも増して市民権を得てきたように思う。
MarketDriveの「イヴイヴ」もそんなマッチングアプリの1つだ。同サービスは、人の目による審査を通過してはじめてアプリが利用できるという「完全審査制」を特徴としており、特に女性ユーザー向けに“安心・安全”というメリットを打ち出している。また、ユーザーが任意で本人確認書類を提出することにより、プロフィール欄に「本人確認済み」を表すマークをつけ、マッチ率アップを促すなどの施策も行っている。
イヴイヴならではの独自の機能もある。Market Drive代表取締役の伊藤太氏は、「恋愛は2人でやるものではなく、第三者と相談しながら進めるものだ」と話していて、その言葉を反映するような“サポーター機能”というものがある。これは、アプリ内に常駐するキャラクターにチャットで恋愛相談ができるという機能。チャット対応はMarket Drive社員が5名体制で行っているそうだ。「マッチして初めての会話では何を話せばいいの?」だとか、「マッチ率を上げるには?」などの質問があるという。
実はマッチングアプリには“ゴールデンタイム”とも言える時間帯がある。それは金曜日の夜だ。そこに特化した機能もある。イヴイヴでは毎週金曜日の21〜24時限定で、今すぐにトークできる人だけを探せる「プチ恋機能」を用意している。なんと、プチ恋機能の時間帯は通常と比べ、DAUベースで2〜3倍のトラフィックがあるという。「プチ恋の時間帯にトラフィックの集中でサーバーがダウンした」(伊藤氏)なんていうエピソードもある。華金、恐るべし。
イヴイヴのダウンロード数は現時点で約30万ダウンロード。ユーザーの性別の比率は女性が35%、男性が65%だという。Market Driveは今回調達した資金を利用して、自社で運営するYouTubeチャンネルを中心としたプロモーションの強化を行うとしている。
Market Driveの創業は2016年7月。2017年12月の1億6000万円に続き、今回のラウンドが同社にとって4度目の外部調達となる。累計調達金額は3億7000万円だ。
なお、Market Driveは、これまでに行った計4回の資金調達ラウンドにおけるバリュエーションを今回の取材ですべて開示した。
- 2016年8月の第1回ラウンド: Post Money Valuation = 3億円で3000万円調達
- 2017年4月の第2回ラウンド: Pre Money Valuation = 8億円で6400万円調達
- 2017年12月の第3回ラウンド: Pre Money Valuation = 18億円で1億6500万円調達
- 2018年2月の第4回ラウンド: pre Money Valuation = 40億円で1億1000万円調達
スタートアップが過去のラウンドにまでさかのぼってバリュエーションを開示することは非常にめずらしい。なお、同社はこれらすべてのラウンドにおいて、ベンチャーファイナンスで利用されることが多い優先株式ではなく、普通株式を発行することで資金を調達しているという。