「Wantedly」がシンガポールで正式にサービス提供を開始、iOS対応の「Wantedly Visit」英語版もリリース

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ビジネスSNS「Wantedly」を運営するウォンテッドリーは3月2日、シンガポールでの正式なサービス提供を開始。同時にWantedlyのスマートフォンアプリ「Wantedly Visit」について、iOS対応の英語版もリリースした。ウォンテッドリーは、2月にも名刺管理アプリ「Wantedly People」の海外版をリリースしたばかり。海外展開をさらに進めていく構えだ。

Wantedlyは、ビジネスパーソンの人脈づくりや、企業の社風紹介、企業訪問などにより人材とのマッチングを行うビジネスSNSとして、2012年2月に公式リリース。約5年で、日本国内で利用企業者数2万社、月間利用ユーザー数150万人が利用するサービスとなっている。ウォンテッドリーでは日本での実績を受け、アジアでの展開を2014年から計画。現地調査、サービスのα版提供を経て、2016年11月には子会社をシンガポールに設立していた。

また、2016年11月のブランド刷新にともないWantedly Visitに改名されたWantedlyのアプリは、Android版ではすでに英語への対応が行われており、国ごとに人材募集を検索する機能もあったが、今回のシンガポールでのサービス提供開始に合わせて、iOSでも英語版を提供、国別検索にも対応した。

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ウォンテッドリー代表取締役の仲暁子氏は、同社初の海外進出の地にシンガポールを選んだ理由について、「地理的にも、人種的にも、文化的にも日本と近く、日本発のサービスが受け入れてもらいやすいことと、日本と同じく社会がある程度成熟していて、給与や福利厚生などの条件だけではなくて、仕事を通じた成長の実感や企業ミッションへの共感で企業を選ぶ人が多いことから、Wantedlyのサービスともフィットすると考えた」と説明する。

シンガポールでは、貿易産業省により、民間のR&D活動を促進する5カ年計画「2020年研究革新起業計画(Research, Innovation and Enterprise 2020:RIE2020)」を策定中で、スタートアップに加え大企業でも、先進的な技術に優れた若い人材を求める動きが活発になると考えられている。こうした動きも、シンガポール国内で人と企業をつなぐサービスの成長を後押しする、と仲氏は見ている。

「Wantedlyは、紙の履歴書をオンラインに置き換えただけの競合サービスと違い、ミッションやバリューで人と企業をつなげ、カジュアルに会社に遊びに行けるこれまでにないサービスで、日本以外でも受け入れられると思っている。また私自身、日本人でもあるが、アジア人としてのひとつのアイデンティティーを共有していると考えている。そのアジアで、日本と同じようにスタートアップ企業や、やりがいを求める若い人を支援するサービスを広げていきたい」(仲氏)

シンガポールでのサービス正式提供に先駆けて行われた、アルファ版を使ったマーケティングリサーチでは、約100社がアクティブに利用したという。今後ウォンテッドリーでは、これまで先行投資として運営されてきたシンガポールでの活動を本格化し、収益を上げて成長していくことを目標とする。また、仲氏によれば、アジア圏の他の地域への展開も計画していて、香港については3月後半ごろから、マーケティングリサーチを具体的に進める予定だ。

仲氏は最後に、スタートアップの海外進出について、こう語った。「日本のインターネット系スタートアップで、ワンプロダクトで海外に進出し、稼げている企業は、LINEなど一握りしかない。海外で受け入れられるサービスが作れるかどうかが、日本のスタートアップの課題だ。今回私たちは、小さい一歩だが英語圏でもあるシンガポールへオフィスを構えて、サービスの正式提供まで来ることができた。これから日本からも海外進出するスタートアップがどんどん現れてほしいし、その中でリーダーシップを取れる存在となりたい」(仲氏)

ウォンテッドリー代表取締役の仲暁子氏

ウォンテッドリー代表取締役の仲暁子氏

投稿者:

TechCrunch Japan

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