【スタートアップバトルへの道】「一気に全国を捉えるために出場」2018 Finalist / KURASERU #1

通算9回目となる、スタートアップとテクノロジーの祭典「TechCrunch Tokyo」。今年は1114日(木)、15日(金)に東京・渋谷ヒカリエで開催が予定されている。そのTC Tokyoで毎年最大の目玉となるのは、設立3年未満のスタートアップ企業が競うピッチイベント「スタートアップバトル」だ。

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連載「スタートアップバトルへの道」では、2016年、2017年のスタートアップバトル最優秀賞受賞者と昨年決勝に勝ち残ったスタートアップ、計8社に取材。バトル出場までの経緯や出場してからの変化について、登壇者に話を聞いている。

今回登場するのは、TC Tokyo 2018 スタートアップバトルファイナリスト、KURASERU代表取締役CEOの川原大樹氏。2回に分けてお送りするインタビューの前半では、出場までの経緯や登壇時の感想などについて話を聞く。

参考のためピッチコンテスト動画を見まくった

KURASERU(クラセル)は2017年10月、兵庫県神戸市を拠点に、介護・福祉専門職の経験を持つ川原氏が創業したスタートアップ。同社が提供するのは、医療ソーシャルワーカーやケアマネジャーが病院から退院する要介護者のための介護施設探しをする際のマッチングサービス「KURASERU」だ。

川原氏がTC Tokyo 2018 スタートアップバトルへの出場を決めたのは、追加の資金調達を検討していたタイミングだった。「地方のスタートアップだと、メディアに出るチャンスがなかなかなかった。一気に全国を捉えたいと考えたとき、『スタートアップと言えばTechCrunchだ』ということで、2018年7月ぐらいから応募を計画していた」(川原氏)

KURASERU代表取締役CEO 川原大樹氏

KURASERUは神戸市が主催する「KOBE Global Startup Gateway」の第5期に採択され、アクセラレーションプログラムにも参加していた。このプログラムや、2018年6月にKURASERUへ出資した500 Startups Japan(当時。現Coral Capital)の勧めもあり、ピッチイベントには参加するようにしていたという川原氏。TC Tokyoに先立ち、2018年9月には福岡で開催されたB Dash Camp 2018 Fallでもファイナルラウンドに進出、スポンサー賞を受賞しており、「TC Tokyoでも優勝を狙おう」(川原氏)と勢いがついたようだ。

「これまでのコンテストで、動画が公開されているものについては(参考にするために)映像を見まくった」(川原氏)

資料づくりでは、川原氏にとってプレゼンテーションが一番やりやすい流れとして、4つのポイントを押さえるようにしていたという。「Problem、Solution、Market(Potential)、そしてTeamを説明していくと、私にとっては最も伝わりやすい。TC Tokyoでは、この4つのポイントに事業計画とトラクションを加えて、バトルに臨んだ」(川原氏)

専門性の高い事業領域を伝えるため言葉選びを工夫

前述したとおり、TC Tokyoの時点でピッチコンテストは初めてではなかった川原氏だが、「TC Tokyoは別物」と登壇時の印象を振り返る。「しかも初日、グループAのトップバッターで『さあバトルが始まるぞ』という雰囲気の中、登壇することになったこともある」(川原氏)

聴衆はもちろん多かったのだが、川原氏は「ピッチはメチャメチャ練習したので、それほど緊張はなかった」という。一方、審査員に対しては「質疑応答で何を聞かれるか、ということで緊張していた」と話す。本番では滞りなく回答できて「やりきれた」と川原氏は述べている。

プレゼンの持ち時間は、初日の3分間に対して、ファイナルラウンドでは5分間と長くなる。この持ち時間対策については、川原氏は「優勝するつもりで、最初から5分間で練習していた。あとは3分に収めるために『こことここは省略すればいい』という感じで、さほど問題はなかった」と話している。

また、川原氏は「事業の内容が伝わりにくいので、言葉選びでは工夫した」という。「我々の事業領域は専門性が高い。退院時の調整で、医療ソーシャルワーカーが何をしているかなんて、みんな知らないこと。そこをスムーズに説明するために『退院って、ハッピーなことだと思いますよね。でもそうじゃない人もいる。在宅で介護が難しい人は介護施設をセレクトするしかない状況』と、みんなが想像がつきやすい言葉から選ぶようにした」(川原氏)

インタビューの後半では、出場後の社内外の変化や今後の展望などについて聞く。

 

なお現在、スタートアップバトルの応募だけでなく、TechCrunch Tokyo 2019のチケットも販売中だ。「前売りチケット」(3.2万円)をはじめ、専用の観覧エリアや専用の打ち合わせスペースを利用できる「VIPチケット」(10万円)、設立3年未満のスタートアップ企業の関係者向けの「スタートアップチケット」(1.8万円)、同じく設立3年未満のスタートアップ企業向けのブース出展の権利と入場チケット2枚ぶんがセットになった「スタートアップデモブース券」(3.5万円)など。今年は会場の許容量の関係もあり、いずれも規定数量に達した際は販売終了となる。

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投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。