【レビュー】アップルがmacOS 12 Montereyのパブリックベータ版配信開始、Safariやクロスデバイス機能を一新

Apple(アップル)は米国時間6月30日、iOS 15、iPadOS 15、watchOS 8の新しいパブリックベータ版を一斉に公開した。そして米国時間7月1日、同社は6月のWWDCで発表されたソフトウェアのうち、もう1つの大きなパズルピースをたずさえて戻ってきた。

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このたび3週間にわたる開発者向けベータ版に続き、macOS 12.0 Monterey(モントレー)のパブリックベータ版が配信開始された(つまり、すべての人に行き渡るまでに多少時間がかかることが多いロールアウトを開始した)。

OSのベータ版にはいつもの警告があり、プライマリマシンにダウンロードしないように注意する必要があるが、少なくとも、6月に開発者向けに最初に配布されたものよりは十分に安定しているはずだ。筆者はあなたの生き方に口出しするつもりはない。

画像クレジット:Brian Heater

この種の記事の冒頭にシステムの互換性を取り上げることはあまりないのだが、Montereyの場合は言及しておくべきだろう。何しろ、2020年に初めてApple Siliconを搭載したMacを発売して以来、初めての完全な新OSのリリースなのだから。当然のことながらMontereyは、Appleのファーストパーティー製プロセッサーを搭載したすべてのシステムで利用可能だ。

Intelプロセッサー搭載のMacは数年前からサポートされているが、福袋のようにまちまちだ。以下のリストをまとめてくれたMacrumorsに感謝する

  • iMac(Late 2015以降)
  • iMac Pro(2017以降)
  • MacBook Air(Early 2015以降)
  • MacBook Pro(Early 2015以降)
  • Mac Pro(Late 2013以降)
  • Mac mini(Late 2014以降)
  • MacBook(Early 2016以降)

Big Surの互換性の内訳から日付が1年ほど上にずれているので、まあ妥当といえるだろう。

さて、ひるまず早速ダウンロードしてみると、何が変わるのだろうか?最も大きく変わるのはSafariとFaceTime、そしてデバイス間で周辺機器を統一する「ユニバーサルコントロール」機能と、macOSの主力機能であるAutomaterに代わるiOSの機能「ショートカット」が追加される。

画像クレジット:Brian Heater

最初の印象をいくつか挙げる。まずはSafariから始めよう。このブラウザはmacOSの大幅な刷新のたびにいくつか重要なアップデートが行われるが、今回は最近の記憶の中でも最大級のものだ。(WWDC)基調講演の後、このアップデートは多くのユーザーに混乱をもたらすだけではないかという懸念があった。確かに、ユーザーはワークフローの中断を嫌う。私が毎日使うデフォルトのブラウザをSafariに切り替えようと真剣に考えたことがないのは、このような理由からかもしれない。習慣を変えることは難しい。もちろん、進化するためにはときには変化も必要だ。いずれにしても、私はまだMontereyを十分に使いこなしていないので、Safariの使い心地について決定的なことはお伝えできない。

前置きが長くなったが、すぐにかなりの違いがある。

Brian Heater

大したことではないと思われるかもしれないが、何世代にもわたってタスクバーが原動力となってきた後で、ブラウザの中心にかなり大胆な変更が施されたといえる。もちろん好みは分かれると思うが、このアイデアの根底にあるのは、フィールド(フォーム)をより恒常的に存在させるのではなく、個々のタブに結びつけることだ。「タブグループ」を使えば、複数のサイトをまとめてブックマークすることができ「家」と「職場」というようにグループ化することができる。

Appleがどのようにソフトウェアを作っているかを知っているユーザーなら、これらのグループがSafariアカウントを介してデバイス間で同期されることは驚くことではないだろう。この機能はユーザーにとって、整理整頓になるか、あるいは無限のタブを持つ新しいグループを大量に作るか、どちらかになる可能性があるものだと思う。

画像クレジット:Apple

FaceTimeに追加された機能は、パンデミックの中で悩む必要のない決断であり歓迎すべきアップデートだ。最大の追加は、2020年に多くのサードパーティが解読しようとしたコードだ。この新機能では、友人とのFaceTime通話で映画やテレビ番組をストリーミングして一緒に観ることができる。繰り返しになるが、これは非常にパンデミックに適した製品であり、遠隔会議がなくなることはないので、今後も魅力的な製品となるだろう。

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TV+やMusicなどのApple製品に加え、Disney+、Hulu、HBO Max、NBA、Twitch、TikTok(ティックトック)、MasterClass(マスタークラス)、ESPN+、Paramount+、PlutoTVなど、Montereyは数多くのローンチパートナーと連携する。また、AppleはAPIを開発者に公開している。というのも、正直なところ、この製品にはYouTubeとNetflix(ネットフリックス)が必要だからだ。

画像クレジット:Brian Heater

「フォーカス」設定は、既存の「Do Not Disturb」機能をベースに、特定の通知パラメータを作成する機能を追加したものだ。Appleは、デフォルトで「仕事モード」や「睡眠モード」などを提供しているが、一部の通知を許可し、他をブロックする独自のカスタムバージョンを作ることもできる。

画像クレジット:Apple

ハードウェアの観点からは「ユニバーサルコントロール」が最も興味深い追加機能だろう。この機能により、互換性のあるMacやiPadでワイヤレスキーボードやマイク / トラックパッドを共有できるようになる。これはSidecar(サイドカー)を置き換えるものでも、その技術をベースにしたものでもない。SidecarがiPadを実質的にセカンドスクリーンとして利用できるようにするのに対し、ユニバーサルコントロールでは標準的なiPadの機能を維持しながら、デバイス間でカーソルを移動させることができる。どちらもクリエイターや頻繁に旅行に出かける人には魅力的だが、これらの一方が他方をカニバリゼーションするかどうかはこれから興味深いところだ。

クロスデバイス機能といえば「なぜこんなに時間がかかったのだろう」と思うような機能が「AirPlay to Mac(MacへAirPlay)」だ。これにより、iPhoneやその他のAppleデバイスのコンテンツを、大画面のMacで直接共有することができる。また、コンピュータをAirPlayスピーカーとして使用し、デバイスからシステム上に音楽を流すこともできる。

画像クレジット:Brian Heater

前述の通り、Mac版「ショートカット」の登場は、Automaterの終わりの始まりを意味する。Appleはユーザーからのフィードバックを収集しながら、しばらくの間このアプリを存続させるとのこと。これまでのように、新機能を導入したらすぐにバンドエイドをビリっと剥がす(すばやくやれば痛くない!)というやり方ではなく、このような方針をとったことは評価できる。Automaterは非常に多機能だったが、慣れないユーザーにとっては非常にわかりづらいものだった。使い始めるために、同社はショートカットのギャラリー(上図参照)を用意している。

OSの基本的なタスクから「Gifを作成する」というようなものまで、さまざまなショートカットが用意されているため、これで一部のサードパーティー製Mac用アプリが不要になってしまう可能性も大いにある。

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カテゴリー:ソフトウェア
タグ:アップルmacOSmacOS 12ベータ版レビュー

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(文:Brian Heater、翻訳:Aya Nakazato)

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TechCrunch Japan

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