おむつ交換のタイミングを教えるウェアラブルデバイスをスペインのスタートアップが開発

今出回っているセンサ駆動のウェアラブル(着脱型)デバイスは、スポーツやフィットネスなどのために自分の体のデータを拾うものが多い。しかもそれらは、必要に迫られてというより、むしろデータを楽しむためだ。でも、人間がセンサを身につけることには、きわめて実用的な用途がたくさんある。ここでご紹介するのも、ある現実的な問題を解決するためのウェアラブルセンサ製品だ。

バルセロナのSiempreSecos(英語ではAlwaysDry)が作ったシリコン製の尿センサは、赤ちゃんのおむつや、失禁症で悩む高齢者のために使用する。従来、おむつのチェックには、不便さや当人の不快感が伴いがちだった。

何度でも繰り返し使えるシリコン製の水分センサをおむつに付け、介護者は、自分の腕に着ける腕輪や目覚まし時計型の警報装置で、おむつが濡れたことを知る。

同社によると、“868MHzの電波を独自の通信プロトコルで使用し、きわめて低電力で双方向通信を可能にしている。センサの電池交換はできないが1年はもつ。腕輪(ブレスレット)のli-pol電池はmicroUSBで充電できる。警報装置はソケットに差し込んで使う”、ということだ。

SiempreSecosの重点市場の一つが、介護施設だ。このデバイスを使うと、認知症などの患者に、あまり深く関わらずにおむつ交換を対応できる。複数の患者をモニタするためには、PC用のアラートプログラムを使用する。

また、家庭で赤ちゃんや高齢者のおしっこをモニタするためには、おむつ替えのタイミングを振動で知らせるブレスレットを使う。ブレスレットは、おむつの“湿度”を表示する。

お値段は、家庭で単品で使う場合は35ユーロ、施設用のプロフェッショナルモデルの10個セットが520ユーロだ。

同社は昨年、研究開発に4万ユーロを投資し、加えて25000ユーロの融資も受けた。しかし生産と流通を本格化するために同社は今、クラウドファンディングのサイトIndiegogoで資金を募集している(目標額2万ユーロ)。ただしこの場合、目標額に満たなくても、同社は資金を受け取ることができる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


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TechCrunch Japan

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