exiiiが開発する力触覚デバイス「EXOS」はVR空間内でユーザーが物を掴める体験を提供するデバイスだ。exiiiは、このEXOSを生産工場などの作業の自動化に役立てたい考えのようだ。本日exiiiは大成建設と共同で、力触覚デバイスとロボットアームで遠隔操作システムの開発を進めると発表した。
今回共同開発するシステムは大成建設が受注している食品工場などでの導入を想定しているとexiiiのCEOを務める山浦博志氏は説明する。
こうした食品工場では力加減が必要な作業が多い。例えば、お弁当の工場の場合、から揚げを掴んで配置したり、お弁当の蓋を閉めたりといった作業が発生するが、どれも繊細な力加減が求められる。人が行うのは簡単だが、ロボットでこうした作業を自動化するのは難しい。
exiiiは彼らが開発する⼒触覚提⽰デバイス「EXOS Glove」、5指ハンド「EXOS Hand Unit」、ロボットアーム「EXOS Arm Unit」を組み合わせたシステムで、こうした作業員の力加減を再現できるロボットを構築するという。
第一段階として、まずは作業員がロボットの遠隔操作による作業を行い、人の動きのデータを蓄積していくと山浦氏は話す。データが集まったらAIに動きを学習させ、最終的にロボットが自己判断で作業ができるようにする計画だと言う。
exiiiではロボットの要素技術を開発し、大成建設では実際の工場に導入して開発を進めていくと山浦氏は話す。2017年度内にはプロトタイプを完成させ、2018年にはシステムの実用化を目指す計画だ。
EXOSはVRで物を掴める体験を提供するデバイスだが、今回の大成建設との共同開発で「ロボットの触覚がユーザーにも伝わるEXOSの用途が広がることに期待している」と山浦氏は話す。
ちなみにexiiiの5指ハンドEXOS Hand Unitは今日から一般販売も開始している。