これが2019年に働きたい米国ハイテク企業ベスト15だ

今年はハイテク産業にとって、特にFacebook、Google、TeslaそしてSalesforceのような企業たちにとっては、きわめて騒がしい一年となった。米国のクチコミベースの求人情報検索サイトGlassdoorによる、働きたい企業の最新ランキングによれば、抗議や辞職という目に見える形以外でも、従業員たちがそうしたことを気にしていることは明らかだ。

当然ながら、Facebookはもはや米国で働きたいトップの大企業としてはランクされていない。スキャンダルに次ぐスキャンダルが続き、Facebookの従業員たちの気持ちは、2018年第1四半期に平均4.6だったレートを、第4四半期の4.3にまでに押し下げた。とはいえ、米国内で1000人以上の従業員を雇用している企業の中では、まだ7位にランクされている。

一方、Salesforceのレートは4.5から4.4に下がったが、そのランキングは昨年の15位から、今年11位へと上昇した。ハイテク企業がいずれも総合レートで4.5を上回っていないことは注目に値する。しかし昨年はトップテック企業(Facebook、Google、そしてHubSpot)は4.6を達成していた。一言で言えば、テック企業に働く従業員たちの満足度は、昨年よりも今年のほうが一般に低くなっているということだ。

素早く付け加えておくが興味深い悲しい事に、これらの中で、女性を自認する人、トランスジェンダーの人、もしくは両性指向の人によって主導されている企業はない。

ではから騒ぎは終わりにして、Glassdoorのランキングから2019年に働きたいテック企業ベスト15を抽出して紹介しよう。テック企業以外を含めた総合順位とレートも添えてある。
(訳注:以下の数値は原文の記事が書かれた時点のものである。Glassdoorのクチコミサイトという性格上、数値は常に変動しているため、現在はレートなどが多少変わっている可能性がある)、

15位:Microsoft(総合34位、レート4.4)

CEO:Satya Nadella

MicrosoftのCEOであるSatya Nadellaは、2018年2月7日、米国ニューヨークで開催されたニューヨーク経済クラブのイベントで語った。Nadellaは、人工知能の未来に対してテック企業たちが担うべき責任について話し合った。写真:Mark Kauzlarich / Bloomberg via Getty Images

肯定的な従業員レビュー: 「仕事の明瞭性、成長、スマートな同僚、福利厚生」

否定的な従業員のレビュー: 「給与、チームに横たわる階層的で根深い長期的な関係/信頼関係は、新しいチームメンバーにとっては困難」

14位:Compass(総合32位、レート4.4)

CEO:Robert Reffkin

肯定的な従業員のレビュー: 「優れたマネジメントとリーダーシップ、スタッフと代理店の素晴らしいコミュニティ、自分に誠実であり自分の強みを最大化することを強く奨励。素晴らしい福利厚生」

否定的な従業員のレビュー: 「いつの日か401Kが導入されることを希望する!」

13位:Adobe(総合30位、レート4.4)

CEO:Shantanu Narayen

2011年3月3日ムンバイ、インドにて:ラウンドテーブルメディア会議で写真に収まった、Adobeの議長、社長、そしてCEOであるShantanu Narayen(写真:Abhijit Bhatlekar / Mint via Getty Images)

肯定的な従業員のレビュー: 「素晴らしい文化、楽しい同僚、世界クラスの製品!人びとは顧客体験を助け、改善することを熱望していた」

否定的な従業員のレビュー: 「リーダーシップチームと製品機能の間に距離があり、製品開発チームに提案する内容に誤解があった」

12位:SAP(総合27位、レート4.4)

CEO:Bill McDermott

写真:Martin Leissl / Bloomberg via Getty Images

肯定的な従業員のレビュー:「柔軟で包括的で革新的な文化、優れた福利厚生と給与体系、大勢のスマートな人びと」

否定的な従業員のレビュー:「長時間勤務、頻繁かつすぐに変更が行われ、プロジェクトの適切な変更管理が行われないこともあった」

第11位:Fast Enterprises(総合26位、レート4.4)

CEO:Martin Rankin

肯定的な従業員のレビュー:「手厚い給与と福利厚生。コミュニティに対して支援的、協力的、そして還元的であろうとする強い文化。様々なタイプのプロジェクトに、様々な場所で取り組むことのできる、面白い仕事と機会」

否定的な従業員のレビュー:中程度から長時間に及ぶ必須の、あるいは必須ではないがそうすることが期待される残業。若い独身の従業員には良いが、家族のいるものには負担が大きい。

内向的な性格の人間には向いていない。ほとんどの貢献報酬が、直接仕事には関わらない会社のイベントに如何に多くの時間を割いたかによって決まる」

10位:Paylocity(総合20位、レート4.4)

CEO:Steve Beauchamp

肯定的な従業員のレビュー:「製品は素晴らしく、サービス/開発チームも大好きだ」

否定的な従業員のレビュー:「営業チームのマネジメント対して行われた変更によって、これまでの文化は窓から投げ捨てられてしまった。マネージメントの観点からは、この会社はPaychex(米国の給与計算人事管理SaaS企業)のように感じられる。すべての通話が録音され、1時間ごとに勤務状況が追跡され、意見が採用されたときに始めて口を開くことができる。さもなければ、私は尋ねられない限り『口を閉じ続ける』ことを求められている。これはもはや私が5年以上前に雇われた会社ではない」。

9位: Ultimate Software(総合18位、レート4.4)

CEO:Scott Scherr

写真:Issac Baldizon / NBAE via Getty Images

肯定的な従業員のレビュー:「偉大な会社と福利厚生、従業員を幸せにすることに重点を置く」

否定的な従業員のレビュー:「変化はゆっくりと起こり、従業員を幸せに保つことに重点を置くが故に、従業員の不満につながる場合にはリーダーシップは必要な変化を加えることを恐れる。

8位: DocuSign(総合17位、レート4.4)

CEO:Daniel Springer

肯定的な従業員のレビュー:「総合的なワークライフバランスと、支援的なマネジメント」

否定的な従業員のレビュー:「昇進の余地がない。医療貯蓄講座(HSA)やジムの補助もなし。子供をもつ親に対するインセンティブや保育料割引などもなし。

7位: HubSpot(総合16位、レート4.4)

CEO:Brian Halligan

写真:Dina Rudick/The Boston Globe via Getty Images

肯定的な従業員のレビュー:「私はHubSpotにはほぼ4年間勤務している。そしてこの間、他の企業で働きたいとは考えることさえなかった。何故か?HubSpotは素晴らしい職場だ。自分に価値があると感じることができる。いつ、どこで、どのように働くのかについて、多くの自由を持っている。私は会社の使命を強く感じている。要するに、私はここではとても幸せだ」

否定的な従業員のレビュー:「会社が成長するにつれて、コミュニケーションの拡大と意思決定が難しくなる。幸いなのは、コミュニケーションをより簡単に、より良くするために働く多くの人びとに、これは最優先事項であると認識されていることだ」

6位:Salesforce(総合11位、レート4.4)

CEO:Marc Benioff

肯定的な従業員のレビュー:「非常に協力的な環境。無限の学習可能性。ポジティブな企業の態度と倫理」

否定的な従業員のレビュー:「社内政治問題のような大きな企業内課題が存在し、『公平』と『透明性』はしばしば口にされるものの、嘘つきを抱える部門もある。多くの内部プロジェクトが、リーダーシップやマネジメント能力の欠如のために失敗しているが、その多くは闇に葬られる」

5位:Google(総合8位、レート4.4)

CEO:Sundar Pichai

肯定的な従業員のレビュー:「無料の食事、マッサージ補助、厚い福利厚生は本当に役立つものばかり。技術面で多くの面白い仕事をしている。主張されているオープンな企業風土、フラットな組織構造、従業員の真の個性の受け入れは良いイデオロギーだが、ときどきその実践に失敗している」

否定的な従業員のレビュー:「Googleのマネジメントは、スタッフ、オフィススペース、予算などの観点から見たときに、プロジェクトに十分なリソースを割り当てることに対して驚くほど倹約的である。ここでリソースの獲得に成功するか否かは、特定の投資のメリットを正面から説くよりも、如何に上司が根回しが上手く、そして如何に自分も上司に対する根回しが上手いかにかかっている。実際のことを言えば正確にやるには規模が大きすぎるのだ。

4位:Facebook(総合7位、レート4.5)

CEO:Mark Zuckerberg

サンノゼ、カリフォルニア ― 5月1日:Facebookの開発者会議F8で話すFacebookのCEOのMark Zuckerberg。Facebook CEOのMark Zuckerbergは5月2日まで続いたFacebook開発者会議で基調講演を行った。(写真:Justin Sullivan/Getty Images)

肯定的な従業員のレビュー:「メディアの報道やプラットフォームを悪用する連中のおかげで、私たちが受ける挑戦は、私たちを結束させ問題の解決に集中させる」

否定的な従業員のレビュー:ワークライフバランスは酷いものだ。私のチームの誰もが、通常の時間外、夜間、週末に働いている。『これをやれ』と明言するひとは誰もいないが、競争の激しい文化の中では、とにかく長時間働くことになる」

3位:LinkedIn(総合6位、レート4.5)

CEO:Jeff Weiner

肯定的な従業員のレビュー:「シリコンバレーの最も賢くて才能のあるリーダーの多くはここにいる」

否定的な従業員のレビュー:「信じられないほど賢い従業員同士の競争は激しい」

2.位:Procore Technologies(総合4位、レート4.5)

CEO:Craig “Tooey” Courtemanche

肯定的な従業員のレビュー:「素晴らしい社内文化、世界に通用する人材と福利厚生」

否定的な従業員のレビュー:「極端な成長にはそれ自身課題がある。正しく行うためには意志が必要だ」

1位:Zoom Video Communications(総合2位、レート4.5)

CEO:Eric S. Yuan

肯定的な従業員のレビュー:「素晴らしい製品、実際に市場で最高だ。Zoomには、大変厚い福利厚生と、沢山の特典がある。Zoomには、ともに働く優秀で素晴らしい人たちがいる。私のチームの友人たちのことを考える。CEOは本当に従業員たちを気にかけ、その声を聞く。

否定的な従業員のレビュー:「この1年半の間に、この会社の社内文化は負の方向に変化してしまったのではないかと思う。あまりにも多くの営業担当者がいる ―― 上級マネジメントはそれに気が付き始め、人を追い出すために思い切った手を打ち始めている。高い階層にいない限り、真の居場所は手に入れることができない。組織のトーテムポールの底には、低い階層があるようだ。

参考記事:リクルートが米国の企業口コミサービスGlassdoorを約1300億円で買収

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(翻訳:sako)

投稿者:

TechCrunch Japan

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