たこ焼きロボからマイクロモビリティまで竹芝埠頭にロボ集結

東急不動産と鹿島建設は、両社が共同開発する「(仮称)竹芝地区開発計画」のエリアマネジメントの一環として、両社が共同設立した事業会社であるアルベログランデ、一般社団法人の竹芝エリアマネジメントと共同で「竹芝ふぇす TAKESHIBA Seaside Music & Dining」を8月23日まで開催中だ。開催時間は17時30分~21時。

期間中は、東京都野外広告条例の規制緩和に向けた実証実験として、開場に隣接する建物を利用したプロジェクションマッピングイベント「TAKESHIBA TOWN OF LIGHT FESTIVAL」も同時開催される。また「街全体のロボット実装化に向けた実証実験」の場として、公募によって選ばれたさまざまなロボットが展示されていた。

THOUZER

一般社団法人CiP協議会が開発したリンゴをモチーフにしたコンパクトな店舗「apfel.min」と追従運搬型ロボット「THOUZER」を組み合わせたソリューション。ステンレスで作り上げられたTHOUZERは、一定間隔を保って人のあとを追従して注文した商品を運んでくれる。

OctoChef

コネクテッドロボティクスは、大手チェーンへの導入実績もある、汎用アームロボットをチューニングしたたこ焼きロボを展示。従来は、デンマーク・ユニバーサルロボットのアームロボットを使っていたが、今回は台湾テックマン製のアームロボット(国内代理店はオムロン)に変更されていた。このたこ焼きロボットは4代目で、さまざまな汎用アームロボット向けにチューニングすることで、同様の動きを再現できることがわかる。関係者によると、同じ会社が製造する同じシリーズのアームロボットでも型式によって関節の仕組みが異なるため、個体ごとに微調整は必要とのこと。

出展されていたたこ焼きロボは簡易仕様で、画像解析によるたこ焼きの焼き具合を判断する機能を備わっていないが、たこ焼きの生地やトッピングは事前に用意しておけば、油引き、生地の流し込み、たこ焼きの回転、鉄板からのたこ焼きのピックアップまでを全自動でこなす。あとは、人の手でたこ焼きを取り分けてソースやマヨネーズ、青のりなどを振りかければ完成だ。

さらに今回は、たこ焼きロボットの開発を生かしたビールサーバーロボットも展示されていた。チェーン居酒屋などで見かける自動ビールサーバーと前述のアームロボットを組み合わせ、ビールのコップをセットするところから、ビールが満たされたコップを提供するまでを全自動でこなす。連続で2杯のビールを注いで提供することができる。

今回はたこ焼きロボとビールサーバーロボで別々のアームロボットを利用していたが、1台のアームロボットで一方でたこ焼きを作り、空き時間にビールを注ぐという1台二役の動作も可能とのこと。

Hot Snack Robot

コネクテッドロボティクスは、コンビニなどへの導入を計画している揚げ物担当ロボットも展示していた。揚げ物を作るためのフライヤー、食材を保存しておくための冷凍庫、出来上がった揚げ物をディスプレイする陳列棚の中心にユニバーサルロボットのアームロボットが鎮座。冷凍庫の扉を開けて食材を取り出し、食材をフライヤーで揚げる、揚げ上がった食材の油切り、揚げ物を陳列棚に移動、客のオーダーにより陳列棚から取り出すという一連の作業を全自動でこなす。

ロボットが認識できるように、食材をトレイに均一に並べたり、二次元バーコードでマークをつけるといった下準備は必要だが、猛暑の中でただでさえ高温のフライヤーの前に人間が立つ必要がなく、隣でほかの作業をこなしながらサポートするだけだいいのはありがたい。

自律声がけロボット

サーバーエージェントのAI Labは大阪大学と共同で、周辺の環境を認識して、通行人の行動の認識・予測、通行人の注意を惹きつけるロボットの動作生成などの要素技術を研究。今回展示されていたコミュニケーションロボットはバックにLEDパネルが設置されており、遠隔地にいるスタッフが接客する仕様だった。

REBORG-Z

綜合警備保障(ALSOK)は、ビルなどへの導入実績がある警備ロボットを展示。警備と案内、巡回に特化したロボットで、内蔵の液晶パネルでイベントの概要を参照できるほか、域内をパトロールするといった動作が可能だ。多言語対応の音声対話のほか、受付、火災検知、消火活動、異常音検知、警戒監視、顔認識、危険性ガス検知などの機能を搭載する。

poimo

メルカリの研究開発組織であるmercari R4Dは、東京大学川原研究所と共同開発した「poimo」を展示。poimoは、空気を注入したボディを利用する電動モビリティーで、耐荷重100kg程度、時速10km程度で走行できる。電動キックボードなどと同様に公道を走るには車両登録や原付免許が必要となるが、今後はpoimoでの走行が許可されている竹芝国家戦略特区での実証実験を進めていくという。

また電動キックボードなどを充電するための無線充電マットも展示されていた。マット上に停車させておけば自動的に充電される。スマートフォンの無線充電規格であるQiよりも長距離となる数cm離れた状態での充電が可能。パネルを連結させることで充電範囲を広げられるのが特徴だ。

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TechCrunch Japan

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