TechCrunch Japan編集部では、通算9回目となるスタートアップとテクノロジーの祭典「TechCrunch Tokyo」を11月14日(木)、15日(金)に東京・渋谷ヒカリエで開催する。現在、国内外のVCや投資家、スターアップ企業の経営者などに登壇を交渉中だが、今回3人目の登壇者を紹介できることになった。コネクテッドロボティクスで代表取締役/CEOを務める沢登哲也氏だ。
コネクテッドロボティクスという社名を知らなくても、長崎のハウステンボスで昨年7月から1年以上稼働しているたこ焼きロボット「Octo Chef」やソフトクリームロボット「レイタ」を知っている人は多いはずだ。同社は2014年2月設立のロボティクス系スタートアップ。
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特徴はなんといっても、汎用の産業用アームロボットを利用してさまざまな調理補助ロボットを開発している点。食品業界では工場を中心にロボット化は進んでいるが、カスタムメイドのものが多く初期導入コストは数千万円かかる。そのため、資金が豊富で長期的なスケールメリットを生かせる大手企業や、24時間フル稼働する工場を除くと、ロボットの導入は高いハードルとなっていた。
一方、コネクテッドロボティクスが利用するアームロボットは量産化が進んだ汎用品のため、1体数百万円で手に入る。これを同社がソフトウェア制御でチューニングすることで調理補助ロボットに変身させているのだ。同社は高度にチューニングされたこれらのロボットを、飲食業へ人件費1人ぶんもしくはそれ以下のサブスクリプションコストでの導入を考えている、仮に年間人件費1人ぶんがかかったとしても、最初から熟練した技術を持ち、休みなく働け、そして退職リスクがない従業員が1人増えることになる。
すでにセブン&アイ・フードシステムズとの提携が決まっており、関東近郊のイトーヨーカドー内に出店しているファストフード店「ポッポ」に、Octo Chefとレイタを展開することを発表済みだ。10月をメドに関東近郊の1店舗にまず導入し、その後に他店舗に広げていく方針とのこと。
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CEOの沢登氏は、大学卒業後に飲食店に働いた経験があり、本来は食べる喜び、出会う喜び、語らう喜びを人々に提供する場である場所であるはずの飲食店が、敬遠される仕事になりつつあることに危機感を持ち同社を創業。ロボットとの協働によって働く人と食卓での楽しいひと時を過ごす人たちの喜びを取り戻すことを目指している。
TechCrunch Tokyo 2019では対話形式の公開インタビューであるファイヤーサイドチャットに登壇予定で、沢登氏には5G時代を迎えるロボティクスの未来について話を聞く予定だ。
TechCrunch Tokyo 2019は、8月31日まで超早割チケットを2万円(税込)で販売中。9月1日からは3万2000円(税込)の前売りチケット、10月1日かは4万5000円(税込)の一般チケットの販売に切り替わる。
既報のとおり、沢登氏のほか、トヨタの自動運転開発子会社TRI-ADのCEOであるジェームス・カフナー氏、地球上を57兆個のマスに分割し3単語で表現するジオコーディングシステムを開発するwhat3wordsのCEOであるクリス・シェルドリック氏の登壇も決まっている。
それ以外の登壇者も続々と確定しており、9月頭にはプログラムの大枠が完成する予定だ。また現在、スタートアップバトルの募集も受け付け中。設立3年未満でローンチ1年未満もしくは未ローンチのプロダクトやサービスを開発しているスタートアップ企業は、ぜひこの機会を逃さないでほしい。