たった5円から資産運用――TORANOTECがおつり投資サービス「トラノコ」をローンチ

投資というと難しそうだし、そもそも元手を用意しなければならないという印象を持っている人が多いかもしれない。TORANOTECはわずか5円からでも投資を始められるサービスでそうした投資のイメージを払拭したい考えだ。TORANOTECは本日、おつりを資産運用に回すサービス「トラノコ」をローンチした。

トラノコを利用するにはまず投資口座を開設する。次におつりデータを取得するため、クレジットカード、電子マネー、銀行口座の情報を登録する。Zaim、マネフォワード、Moneytreeの家計簿アプリを利用しているなら、そうしたアプリからデータを連携させることも可能だ。

資産運用に回すおつりは、実際のおつりではなく、買い物の度に生じる「おつり相当額」を計算している。おつりの設定は100円、500円、1000円から選べる。おつりを100円と設定した場合、180円の買い物をした時のおつりは20円になる。500円に設定しているなら、おつりは320円だ。

おつりは月に1回合算し、引き落とし口座からその分の金額が資産運用に回る仕組みだ。トラノコで月に投資する金額の上限を設定したり、投資額を追加したりすることも可能だ。

おつりの相当額を計算して投資に回すという仕組みは、ウェルスナビが提供している資産運用アプリ「マメタス」とほぼ一緒だ。ただ、トラノコでのおつりの運用先はロボアドバイザーではなく、ファンドという点で異なる。

TORANOTECの100%子会社であるTORANOTEC投信投資顧問は3つのファンドを運用していて、ユーザーはその3つのファンドからおつりの運用先を選ぶ仕組みだ。ファンドは安定重視、バランス重視、リターン重視の3種類ある。

TORANOTECの取締役シニア・マネージング・ディレクターを務める藤井亮助氏は、ロボアドバイザーではなく、人が運用するファンドを用いている理由について、もともとTORANOTECのチームメンバーは金融機関での経験が豊富にあり、人の方が経済環境が新しい局面に差し掛かった時でも対応しやすいこともあるためと説明する。

最低投資額が5円からであることと料金体系もトラノコの特徴と藤井氏は言う。通常、ファンドは1口単位で購入する仕組みだが、トラノコのファンドは1口1円に設定しているため、少額での投資が可能なのだそうだ。

トラノコの利用料金は3ヶ月の無料期間の後、月額利用料300円と運用報酬年0.3%がかかる。「月額利用料が固定のため、資産が大きくなっても変わらず、長くつづけるほど利用者にとってお得になる」と藤井氏は説明する。

トラノコは分かりやすい料金体系を採用することで、ユーザーにとってコツコツ続けやすいサービスを目指しているという。

TORANOTECは2016年8月に創業し、2016年12月にはニッセイ・キャピタル、セブン銀行、リアルワールドから出資受けたことを発表している。金額は公開されていない。

現在トラノコはウェブ版でのみ提供しているが、今後アプリの開発も視野に入れているという。

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。