いよいよ本物。DropboxのIPO申請書類がこれだ。
上場はDropboxにとって大きな節目であり、それはここ数年間、もっとも期待されたIPOのひとつだ。このクラウドストレージ企業は2007年に創業され、これまでに6億ドルあまりを調達してきた。
申請はすでに非公開で行われていたが、同社は今日(米国時間2/23)それを公開し、実際のIPOが近いことを匂わせた。たぶん、3月の後半だろう。
同社によると、ねらっている資金調達額は5億ドルだが、しかしこの数字は単なるプレースホルダーであることが多い。
その申請書類はDropboxの昨年の売上を11億ドルとしている。前年は8億4500万ドル、そして2015年は6億400万ドルだった。
同社はまだ利益を計上しておらず、昨年で損失が1億1200万ドル近い。しかし2016年は2億1000万ドル、2015年は3億2600万ドルの損失だから、大きな改善だ。
Dropboxは2016年以来、キャッシュフローでは黒字だ。
Dropboxはフリーミアムで、有料ユーザーは1100万人/社と公表している。無料の登録ユーザーは5億以上いるから、1100万はその小部分でしかない。
有料ユーザー一人/社あたりの平均売上は、111ドル91セントだ。
同社はプライベート市場で100億ドルの評価額を達成しているが、これからの公開市場ではどうなるか? その予測には、2015年に上場したBoxの推移が参考になるかもしれない。
趣意書は競合環境を警戒している:
“コンテンツコラボレーションプラットホームの市場には競合があり、急速に変化している。われわれのプラットホームの一部の機能は、クラウドストレージの市場で、AmazonやApple、Google、Microsoftが提供している製品と競合し、そしてコンテンツコラボレーションの市場ではAtlassian, Google, そしてMicrosoftが提供している製品と競合する。また大企業によるデプロイメンツに関しては、クラウドストレージ市場でBoxと、より限られた範囲で競合している”。
BoxのCEO Aaron Levieが、本誌のポッドキャスト“Equity”で、競合相手のDropboxのIPO申請に対する、その直後の反応をシェアしている。
〔訳注: ここにポッドキャストの起動インタフェイスがない場合は、原文を見てください。〕
申請を見ると、最大の株主はSequoia Capitalで、すべての発行済株の23.2%を保有している。それは大きな持ち分であり、対してAccelは全体で5%だ。
ファウンダーでCEOのDrew Houstonは、同社の25.3%を保有している。
同社はNasdaqに上場され、チッカーは“DBX”になる。
上場を志向している他社は、Dropboxのパフォーマンスに注目するだろう。投資家たちはこの“IPOの窓”を重視し、最近のデビューを、テクノロジー企業に対する投資‘食欲’の試金石と見ている。
Spotifyも同じ時期に上場するが、資金調達をしない上場により、伝統的なIPO過程を避けるだろう。
この記事は、事態の進展に伴い、今後のアップデートがありえる