ぴかぴかのiPhone Xを分解したらその内臓は従来のiPhoneとまったく違った

iPhone 8の中身は予想どおりだったかもしれないが、すべてが新しいiPhone Xには一体どんな驚きがつめ込まれているのか。iFixitのいつでも優秀なチームは、ここ数年で最大のデザイン刷新といえる同機を分解して、不思議な部位をたくさん発見した。それはわれわれ一般消費者の好奇心をも、十二分に満たすものだ。

いきなりおもしろいのは、初めて電池を二つに分割したことだ。要するに、狭いスペースに何もかもつめ込み、電池のように場所がどこでもいい部品に、残りのスペースを与えた結果だろう。電池が二つあるのではなくて相変わらず一つだが、矩形というよりL字形に近いのだ。

Lightningのポートが丈夫になったのは、ありがたい。本体内でスペースと構造がやや大きくなった。丈夫になったことは、確かだろう。

前面カメラは、第一世代のKinectを小型化したようなパーツで、意外性はあまりないが、すっきりと一体化されたのは、見た目にも良い。

さて、最大の感動はロジックボードだ。取り出してみると、iPhone 8のボードよりもひと回り小さく見える。機能が増えて、ボードが小さいとは、どういうことだろう? …実は、このボードは両面を使っているのだ。

ボードの裏も使うのは別に目新しくはないが、iPhone Xのやり方は独特だ。それは、二枚のものすごく薄い、そして稠密な回路のボードを、スペーサーとなるPCBで接続したものだ。配線用の、小さなトンネルもある。

その結果、iPhone Xのロジックボードは、スペースは30%小さくなり、その上の部品は35%増えている。これぞ、小型化の最高難度なり。でも、心配なのは、狭いスペースに大量の電子回路を詰め込んでいることだ。どこかおかしくなったら、全取っ替えしか修理方法はないだろう。

良いニュースは、iPhoneによくあった問題、スクリーンの破損が、簡単に直せるようになったことだ。顔認識用のハードウェアのあるノッチはスクリーンとは別なので、超小型Kinectは現状のまま、ガラスだけを取り替えればよい。電池も、同様に交換が楽だ。ただしバックパネルは、壊れたらお金がかかりそう。

〔参考記事〕
[ニューヨーク、マンハッタン5番街の行列]

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。