LEGOは長年Appleと緊密に連携し、iOSの未公開のテクノロジーを実験したり、WWDCなどの発表イベントでデモをしたりしてきた。その中にはかなり調整したARKitプラットフォームとレゴのセットの連携があり、実物のおもちゃにデジタルのエクスペリエンスを追加していた。
iOSのテクノロジーと実物のレゴブロックを統合した見事なアプリがApp Storeで公開されている。それはファンが作ったものだ。「Brickit」というこのアプリはLEGO Groupが作ったアプリより優れたものを目指していて、コンピュータービジョンのテクノロジーで大量のブロックをすばやく認識する。
ユーザーは、レゴブロックを重なり合わないように床にぶちまけるだけでいい。するとアプリがすぐに解析してブロックを特定し、ユーザーが持っているブロックで完全に、あるいはだいたい作れるちょっとした作品をいくつか提示する。このアプリの驚くべきところはスピードだ。数百個のブロックをほんの数秒で認識できる。
筆者自身は残念ながら大量のレゴブロックをすぐに試すことはできなかったが、TechCrunchの同僚がiOSでアプリを試してみたところ、デモと同様に順調に動作した。ブロックを特定してからおすすめの作品をスクロールして見られるようになるまでに、デモよりは少し時間がかかった。組み立てている間は、大量のブロックの中から必要なピースがある場所も教えてくれる。
Brickitのチームはこの極めてニッチなユースケースでの驚くほど効果的な使い方という形で、iOSの最新バージョンに備わっている物体認識のパワーを示している。
現状では、このアプリはサードパーティーが作ったものであるためちょっとした制限がある。App Storeには免責として、このアプリはLEGO Groupが作ったものではなく、同社の従業員でもないLEGOのファンが作ったものだと記載されている。このように記載してあるのだからLEGO Groupが過剰に反応して弁護士を立てるようなことにならないように願うが、このアプリがAppleのハードウェアを見事に活用していることを考えれば、LEGO Groupがこのアプリを買収すればいいように思える。
LEGO Group自体の関与によってBrickitでできるようになることはたくさんある。主にLEGOの組み立て説明書のライブラリとの統合だ。LEGOが2019年にBrickLinkを買収したのは、購入後の市場の創出に関してファンのコミュニティをもっと活用しようという狙いだったことは明らかだ。ユーザーが自分の持っているブロックのデータベースを作れるようにすれば、同社はユーザーが所有するコレクションに対する洞察を深め、間違いなく同社にとって価値のあるデータになるだろう。
Brickitアプリは今のところiOS版のみだが、同社のウェブサイトには2021年秋までにAndroid版を公開する予定と記載されている。
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カテゴリー:ソフトウェア
タグ:LEGO、Apple、iOS、アプリ、コンピュータービジョン
画像クレジット:Brickit
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(文:Lucas Matney、翻訳:Kaori Koyama)