またカナダの募金サイトに不正アクセス、ハッカーがトラック運転手抗議デモへの寄付者の名前を漏洩

あるリークサイトは、募金サイトGiveSendGoがハッカーに狙われた後、オタワでのトラック運転手による抗議デモ「Freedom Convoy(フリーダムコンボイ)」への寄付者に関する情報のキャッシュを受け取ったという。

GiveSendGoのウェブサイトは現地時間2月14日、サイトが乗っ取られ、ハッカーによってコントロールされていると思われるページにリダイレクトされるようになり、その数時間後に「メンテナンス中」となって、もはや読み込めなくなったと明らかにした。リダイレクトされたページは、新型コロナウイルス感染症のワクチン接種の義務化に反対してカナダの首都を襲い、1週間以上にわたって交通と貿易に広範な混乱を引き起こしたトラック運転手たちを非難した。

このページには、Freedom Convoyに寄付をした人たちの「生の寄付データ」と称される数万件の記録を含むファイルへのリンクも含まれていた。

しばらくして、非営利のリークサイト「Distributed Denial of Secrets」が、GiveSendGoから30MBの寄付者情報を受け取ったと発表した。この中には、同サイトで行なわれた「すべてのキャンペーン」に対する寄付者の自称氏名、電子メールアドレス、郵便番号、IPアドレスが含まれていた。

Distributed Denial of Secretsは、極右グループに関する一連の流出データを保管していることで知られるサイトだが、このデータは研究者やジャーナリストにのみ提供されると述べた。

ジャーナリストのMikael Thalen(ミカエル・タレン)氏によると、今回の情報漏洩は、1000件以上の身分証明書類を保存しているAmazon(アマゾン)がホストするS3バケットをGiveSendGoがインターネットに公開したままにしていた、以前のセキュリティ過失とは別のものだ。タレン氏は2月13日夜に今回のデータ漏洩を最初に指摘した

関連記事:カナダのワクチン義務化に抗議するトラック運転手たちの寄付サイトから個人情報流出

GoFundMeがオタワで発生した暴力の警察報告を理由にクラウドソーシングキャンペーンを停止して数百万ドル(数億円)の寄付を凍結した後、マサチューセッツ州ボストンを拠点とするGiveSendGoは1月にFreedom Convoyの主要寄付サービスになっていた。週末には、カナダの裁判所がGiveSendGoが集めた資金へのアクセスを停止する命令を出したが、同社は命令に従わないと述べた。

抗議者らは2月初め、Freedom Convoのために800万ドル(約9億円)超を集めた。

GiveSendGoの共同設立者、Jacob Wells(ジェイコブ・ウェルズ)氏は、コメントの要請に応じなかった。

画像クレジット:Stephanie Keith / Bloomberg / Getty Images

原文へ

(文:Zack Whittaker、翻訳:Nariko Mizoguchi

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。