お役立ち15秒動画SNS「soeasy(ソーイージー)」や動画とAIを使ったノウハウ共有サービス「soeasy buddy(ソーイージーバディ)」を展開するsoeasy。同社は8月2日、ジャパンベストレスキューシステムと複数名の個人投資家を引受先とした第三者割当増資により、総額1.1億円を調達したことを明らかにした。
soeasyは6月にTechCrunchでも紹介した通り、以前みんなのウェディングで代表取締役を務めていた飯尾慶介氏が2016年12月に設立したスタートアップだ。同社では動画を通じて知識やノウハウをシェアするサービスを、個人向けと法人向けにそれぞれ運営している。
最初に立ち上げたのは職種や国籍などバックグラウンドが異なる人同士が、自身の知恵を15秒の動画でシェアできるsoeasy。例えばブロッコリーの下ごしらえの方法といった料理ネタや、最速のTシャツたたみテクニックといった生活ネタをはじめ、防災対策、冠婚葬祭のマナー、笑いをとるコツ、お役立ち商品の紹介など幅広い動画TIPSが集まっている。
2016年の8月にFacebookページとWeb版からスタートし、2017年9月にはiOSアプリをリリース。現在Facebookページのいいね!数は50万を超え、大手クライアントとのタイアップ企画や店頭サイネージへの動画提供などにも取り組む。
そして「動画を軸にしたノウハウを共有サービス」という概念をチームに持ち込んだものが、前回紹介した2018年4月リリースのsoeasy buddyだ。
同サービスでは商談時の営業トークや理想的な接客方法など、お手本となる動画をスマホで撮影してアップすることで動画マニュアルを作成。そこに現場スタッフが実践して得た知見やシェアすることで、このマニュアルがどんどんアップデートされていく仕組みになっている。
実際には質問・投稿画面や情報・共有画面を通じて自身のノウハウを共有していく形式。その際の投稿内容や頻度、それに対して行われたリアクションをもとに、AIを用いて「貢献度偏差値」をスコアリングしている点がポイントだ。
このスコアは人事評価に活用することもできるので、上手く機能すればメンバーが積極的にノウハウを社内へ還元し、お互いに高め合うような文化を構築することにも繋がるだろう。
soeasy buddyでは自社で投稿した動画に加え、社会人の基礎スキルやビジネスマナーなどの基本研修動画がデフォルトで搭載。管理者側の画面からは各メンバーの視聴状況が把握できるほか、課題を設定することでスキルの定着も促進できる。
6月の時点で「化粧品業界やブライダル業界を中心に数十社へ導入済み」という話があったけれど、直近では建設業界や美容業界、飲食業界など業種が広がってきているそう。
soeasy取締役の中野慧氏によると「人手不足の環境の中で、今いる社員に今ある接客の型をしっかりと教育して提供サービスの質を向上させたい」「現場のスタッフが、接客や営業で得た発見をどんどん自発的に発信することによって、組織の成長速度をどんどん早めていきたい」というニーズから導入に至った企業が多いという。
同社では今回調達した資金をもとに開発や販売体制を強化する方針。また調達先のジャパンベストレスキューシステムとは、soeasy buddyを活用した現場の課題解決やノウハウ共有の効率化に向けて事業面でも協業していく予定だ。
「soeasy buddyでは国内の様々な業界で使っていただけるように営業活動を行なっていくとともに、『現場が自発的に発見をストックしていく』というサービスの鍵となるUXに磨きをかけていく。soeasyに関しては面白いコンテンツが全てなので、引き続き投稿者を増やしていくべく、様々な仕掛けを準備している」(中野氏)