アスリートの怪我リスクを予測するZone7、シード資金250万ドルを調達

データ分析によってアスリートの怪我の可能性を予測するZone7が、250万ドル(約2億7700万円)のシード資金を調達した。

この会社はスポーツ選手の実績をモニターすることで、選手生命を脅かす怪我を避けるために休養が必要かどうかを判定する。

同社のテクノロジーは投資家の関心を引くことに成功し、Resolute VenturesUpWestAmicus CapitalDave PellPLG Venturesらに加え、NBAのスター選手、Kristaps Porzingisも出資している。

声明によると、MLB、ラ・リーガ、チャンピオンズリーグ、MLSのチームや大学の運動部、各国のオリンピックチームなどが同社の技術を利用している。

「怪我はどのアスリートにとっても最悪の経験の一つだ」とPorzingis選手が声明で語った。「Zone7のテクノロジーは実に画期的でスポーツ界の景観を永遠に変える可能性をもっている」

Zone7はアスリートの過去の実績と医療記録に基づくパターン認識を用いて、怪我をしないために最適な行動を決定する。同社は、これまでに95%の精度で怪我を予測し、怪我の可能性が75%減少したと声明に書いている。

「プロスポーツ選手の負傷は年間数十億ドルの損害に相当するが、このビッグデータの時代にそれで良いはずはない」とZone7の共同ファウンダー・CEO Tal Brownは言う。「プロスポーツ団体には医療や実績に関する使われていないデータが膨大にあり、AIで鍵をあければチームにとって最も価値ある資産に変えられる。全選手の限界点を認識し、個別の治療介入計画を立てることによって、怪我を未然に防ぐことが可能になり、チームは怪我を不可避のものとして受け入れる必要がなくなる」

二人のイスラエル人ファウンダー、Tal BrownとEyal Eliakimは、軍の8200と呼ばれる技術部門に従事していた。Zone7の経営チームはSalesforceとEinsteinの開発で長年にわたる共同作業の経験を持ち、イスラエルのプロサッカーチームとも仕事をした。

「プロスポーツは大部分において医療や実績のデータ利用が遅れている。このため歴史的にも、参入の難しい市場だった。TalとEyalは説得力のある製品を作ることによって、チームに認識を改めさせた。これは文字通りのゲームチェンジャーだ」とResolute Venturesのゼネラル・パートナー、Raanan Bar-Cohenが声明で語った。「Zone7が人工知能を使って怪我を避けられることを示した最初の会社であるという事実は、この会社とパートナーを組むわれわれにとって実に誇らしい」

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

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TechCrunch Japan

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