アダルトサイト、PornHubが2018年のまとめ発表――オンラインで皆が見ているのはいったい…?

カナダに本拠を置く有力アダルトサイト、PornHubの発表によれば、2018年に335億回のアクセスをかき集めることに成功したそうだ。現在、人類の総数は75億人に過ぎない。うーむ。

PornHubはYouPorn、RedTubeなどを含むアダルト・サイト多数を傘下に持っており、毎年ユーザー動向の調査結果を発表してきた。これには地域別ユーザー数、や検索回数が多かった人気スターなどのデータが含まれる。これによればアメリカ、ドイツ、インド、日本、カナダが訪問者数のトップ5だった。保有するデータ総量は4000PBだという。これは地球上の人類1人あたり500MBに相当するというから驚きだ。

ポルノ動画のデータ量などさしたる意味がないと思えるだろうが、このデータを無視するのは危険だ。つまり有力ポルノサイトはメジャーなニュースサイトよりはるかに多くのトラフィックを集めている。

トランプ大統領を巻き込んだポルノスター、ストーミー・ダニエルズやゲームのFortniteが2018年の検索語の上位を占めたということは政治、文化のメインストリームに何が起きているかをよく示している。

たとえば人気検索ワードのリストで4Kが急上昇していることにテレビ関係者はもっと注目する必要がある。受像機のメーカーを含めて、このトレンドに注意すべきだ。この記事を書くために調べてみたところ、現在無料の4Kコンテンツは残念ながらひどく少ないことを発見した。

さらに示唆/娯楽価値の高いデータもある。

2017年の重要検索語は1080pだったが、今年急上昇した検索後はウルトラHDを意味する4kだ。また「ロマンティック」の検索も倍増している。ただし検索者は女性の方が男性より2倍以上多い点は変わっていない。【略】

人生は芸術を模倣し、ポルノはあらゆるものを模倣するというのが真実であれば、われわれのサイトの2018年の検索語の上位にBowsette(クッパ姫)が登場したのも納得できる。任天堂マリオ・シリーズに登場するキャラクターのファン・イラストがオリジナルだが、あっという間に世界的現象となった。Bowsetteの検索は1週間で300万回を超え、このテーマのパロディーポルノ((NSFW)も72万回再生された。

「バイブル・ベルト」と呼ばれるアメリカ南部からの訪問者も多い。ミシシッピ、サウスカロライナ、アーカンソーはアメリカでももっとも長時間ポルノを見ている。カンサス州が時間最短だった。デバイスとしてはやはりスマートフォンがトップで、iOSとAndroidの割合はほぼ半々だった。カテゴリーでは2位にJapaneseがランクインしている。

一方、Windowsのシェアは今年急速に下がった。逆にChrome OSは急上昇。 ブラウザではChrome、ゲーム機ではPlayStationの人気がトップだ。

ポルノは炭鉱のカナリヤと同様、何らかの異変が起きていることをいち早く知らせる。ポルノで起きたことはやがて外の世界でも起きるのが通例だ。PornHubが公開したデータは大いに興味深い。デスクトップからモバイルへ、1080から4Kへなどのシフトが浮き彫りになった。デートサイトやクッパ姫の人気も面白い。われわれの多くは、表向き強く否定するものの、やはり時折こうしたサイトを訪問していることも裏付けられた。

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滑川海彦@Facebook Google+