Apple(アップル)は米国時間6月7日、App Storeの今後のさまざまな変更・改善を発表した。これにより、開発者はより効果的にアプリのターゲットユーザーを見つけ、より多くの人々にアプリを発見してもらえるようになるという。また、アプリ内でどのようなイベントが行われているかを強調することで、新規ユーザーにアプリをダウンロードしてもらい、既存ユーザーの再訪を促すことを目指す。
同社によると、App Storeは現在175カ国で毎週6億人のユーザーに利用されており、App Storeの開設以来、開発者に2300億ドル(約25兆1300億円)以上の支払いを行ってきたとのことで、アプリ開発者にとってのビジネスチャンスを強調している。
だがApp Storeの成長にともない、アプリ開発者にとっては、新しいユーザーに向けてアプリを販売したり、自分のアプリを見つけてもらうことがより難しくなっている。今回の新機能は、そのような状況に対応することを目的としている。
1つの変更点は、アプリのプロダクトページに関するものだ。2021年からアプリ開発者は、複数のカスタムプロダクトページを作成して、ユーザーごとにアプリの異なる特徴を紹介できるようになる。例えば、スクリーンショットやビデオ、アプリのアイコンなどを変えて、ユーザーの好みをA/Bテストできるようになる。
また、アプリ内で起こっているダイナミックな出来事を継続的に宣伝することもできる。Appleは、アプリやゲームは常に新しいコンテンツを展開しており、ストリーミングサービスでの映画のプレミア上映や、Pokémon GO(ポケモン GO)フェスタのようなイベントもあれば、Nike(ナイキ)フィットネスチャレンジのような期間限定イベントも行われていると説明した。しかしこれらのイベントは、すでにそのアプリをインストールしていて、さらにプッシュ通知をオプトインしているユーザーしか発見できないことが多かった。
Appleは今後、開発者がこれらのイベントをより効果的に宣伝できるようにし、アプリ内イベントを「App Storeの中心」に位置付けていくという。イベントは、アプリのプロダクトページで紹介することができる。ユーザーは、イベントの詳細を確認したり、通知を受け取るために登録したり、現在開催中のイベントにすばやく参加したりすることができる。また、パーソナライズされたレコメンデーションやApp Storeの検索を通じて、イベントを発見することも可能になる。
また、App Storeのエディターがベストイベントをキュレートし、新しいApp Storeウィジェットでは、ユーザーのホーム画面上に今後のイベントが表示される。
Appleによるとこの機能は、すでにイベントを運営している開発者も、これから始める場合も含め、すべてのデベロッパーに開放されるとのこと。
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カテゴリー:ソフトウェア
タグ:Apple、WWDC 2021、WWDC、App Store、A/Bテスト、アプリ
画像クレジット:Apple
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(文:Sarah Perez、翻訳:Aya Nakazato)