アップルの委託企業とサムスンがインドのスマホ製造促進プログラムに申し込み

韓国の大企業Samsung(サムスン)とApple(アップル)の委託製造パートナーである台湾拠点のFoxconn(フォクスコン)、Wistron(ウィストロン)、Pegatron(ペガトロン)、そしてインドのスマホメーカーであるMicromax (マイクロマックス)とLava(ラヴァ)などが、インド政府の国内スマホ製造推進を目的とする66億ドル(約7000億円)のインセンティブ・プログラムに申し込んだ。インド政府が8月1日明らかにした。

Production-Linked Incentive Scheme(製造推進インセンティブスキーム)と呼ばれる計画は、インド国内で製造された製品で2019〜2020年水準を上回る販売に対し向こう5年にわたって6%の財政援助をするなど、幅広いインセンティブを提供する。インドのIT大臣、Ravi Shankar Prasad(ラヴィ・シャンカール・プラサッド)氏が記者会見で説明した。

電子部品を製造する企業を含め22社がこのプログラムに申し込み、インド国内で生産された端末の60%を輸出することに同意した、とプラサッド氏は述べた。企業は5年間で1530億ドル(約16兆円)分のスマートフォンや部品を製造することを想定しているとも話した。

製造推進インセンティブスキームは、インドを高品質スマホ製造の世界的ハブに変え、Narendra Modi(ナレンドラ・モディ)首相のインドを自立した国にするという取り組みを支えるのが狙いだ。

プログラム申し込みに際し、企業は約120万人のインド国民の直接・非直接雇用を提供することに同意した、とプラサッド氏は述べた。

グローバルのスマホ販売額の50%超を占めているSamsungとAppleがインドに関心を向けていることは、2社が世界第2位のインターネット市場であるインドに機会を見出していることの表れだ、と同氏は話した。

同日、明らかにされた企業リストから漏れているのは、プログラムに申し込んでいない中国のスマホメーカーのOppo(オッポ)、Vivo(ビボ)、OnePlus(ワンプラス)、Realme(リアルミー)だ。

インド政府はあらゆる国の企業のプログラム参加を妨げていない、とプラサッド氏は同日の記者会見で述べた。調査会社Canalys(カナリス)によると、インドのスマホ市場のおおよそ80%を中国のスマホメーカーが牛耳っている。

「我々は楽観主義で、バリュー・チェーン全体で強固なエコシステムを構築し、グローバルバリュー・チェーンと統合することを楽しみにしている。だからこそインドにおける電子製造エコシステムを強化する」とプラサッド氏は話した。4月に始まったプログラムの申し込み期限は7月31日だった。

Wistron、Foxconn、Pegatronの参加は、将来インドで製造するというAppleの計画を示している。同社の委託製造パートナーで台湾拠点のWistronは2017年にiPhoneの組み立てを開始した。先月Foxconnは小ロットのiPhone 11組み立てをスタートさせた。AppleのサプライヤーがインドでiPhone最新機種を組み立てるのは今回が初となる。

画像クレジット: Karen Dias / Bloomberg / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi

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TechCrunch Japan

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