アップルやグーグルの株価が中国の報復関税と人民元安を受け大暴落

米国時間8月5日、米国のあらゆる株式市場は大暴落し、中でもテクノロジー株への打撃が著しい。中国が米国の関税拡大への報復措置として農産物の輸入を停止し、市場の圧力に答えて人民元のドルに対する価値を引き下げたためだ。

一時ダウ平均は900ポイント近く下がり、午後遅くに持ち直したあと760ポイント安で終えた。数多くのテクノロジー株が上場されているNasdaqは、3.4%、277.10ポイント下げた。

Googleの親会社であるAlphabet、Amazon、Apple、Facebook、Microsoft、Netflix、およびTwitterの株価はいずれも下降して1日を終えた。CNBCによると、IT大手5社(Microsoft、Amazon、Amazon、Facebook、およびAlphabet)合わせて市場価値1620億ドル(約17兆2000億円)を失った。

暴落の原因は、中国が同国の通貨をドルに対する下限とされていた相場よりも引き下げたことにある。これは中国製品の価格が相対的に安くなり世界的に魅力が増すためだ。これはさらに、世界的な通貨切り下げと保護貿易政策を引き起こし、世界経済の成長を抑制する恐れがある。

株価はさらに、ドナルド・トランプ大統領が2019年9月1日以降に中国製品に対する新たな関税を課す可能性の影響も引き続き受けることになる。これらの関税は、日常的な消費財や衣類に影響を与え、その結果IT企業にも悪影響を及ぼすことが予想される。

IT各社にとっての大きな懸念は、迫りくる米国の関税拡大の脅威だ。もしこれらの関税が発効するとこれらの会社の自国市場に著しい影響を与える。

「スマートフォン、タブレット、スマートウォッチ、およびコンピューターシステムが最終的な3000億ドル(約31兆8600億円)の関税対象カテゴリーから除外されなかったと仮定すると、Appleのハードウェア製品売上は大きな打撃を受けることが予想される」とCowen & Co.のアナリストらがCNBCで紹介されたレポートで語った。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

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TechCrunch Japan

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