Amazon(アマゾン)は、レジなしのAmazon Goストアで使用している技術の一部を、あなたのキッチンに導入することを目指していると報じられている。InsiderによるとAmazonは、中に入っているアイテムを監視し、なくなりそうなものがあれば注文をアシストしてくれるスマート冷蔵庫の開発に取り組んでいるという。
このプロジェクトは少なくとも2年前から同社が取り組んでいるもので、Amazon Goシステムを開発したチームが指揮を執っているという。Goストアで使用されているJust Walk Out技術は、買い物客がカートに入れたものを追跡し、退店時に自動的にチャージするものだ。この冷蔵庫のプロジェクトには、Amazon Fresh(アマゾン・フレッシュ)とLab126のハードウェアチームのメンバーも参加しているとのこと。
報道によると、この冷蔵庫は、中に入っている商品をモニターし、ユーザーの購買習慣を把握する。頻繁に購入する商品の在庫が少なくなると、冷蔵庫が知らせてくれ、Whole Foods(ホールフーズ)やAmazon Freshに追加注文しやすくするということで、同社の食料品部門が活性化する可能性がある。また、冷蔵庫はレシピの提案もしてくれるので、賞味期限が近づいている商品を忘れていた場合などにも便利かもしれない。
Insiderの情報筋によると、Amazonは冷蔵庫を自社では作らないだろうとのこと。家電メーカーとの提携を検討しているようだ。また、Alexa(アレクサ)による音声コントロールが搭載される可能性もある。それは大きな懸念ではないそうだが、家庭用ロボットや自社製テレビなど、他のほぼすべてのタイプの製品にAlexaを詰め込んでいる同社の傾向を考えると、冷蔵庫が音声アシスタントに対応していても不思議ではない。
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同社はこれまで、このプロジェクトに年間5000万ドル(約55億7000万円)以上を費やしてきたと言われている。それでも、Amazonが計画を棚上げにする可能性もあるため、冷蔵庫が市場に出るという保証はない。もしこの冷蔵庫が発売されたとしても、おそらく安くはないだろう。Amazonの広報担当者は、同社は「噂や憶測については」コメントしないと述べている。
このコンセプトはまったく新しいものではない。2016年、Samsung(サムスン)は、ドアを開けなくても中のものを把握できる冷蔵庫を発表した。内蔵のタッチスクリーンを使って食料品を注文することもできる。Amazonの冷蔵庫は、切らしそうな商品にフラグを立て、Amazon独自の食料品エコシステムを通じ、それらの商品を補充注文できるということで、Samsungのアイデアをさらに推し進めたものといえる。
編集部注:本稿の初出はEngadget。著者Kris Holt(クリス・ホルト)氏は、Engadgetの寄稿ライター。
画像クレジット:Anna Omelchenko / Shutterstock
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(文:Kris Holt、翻訳:Aya Nakazato)